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03

帰って来たのはカカシの家。綺麗な部屋は片付けられているというよりも、生活感がない。ただ、窓枠に飾られている二つの写真立てがここが彼の休まる場所だと主張していた。

そんな家に上げられた私は彼にとって特別な存在だと言われているようで、大切にされている気がして、応えなきゃと思った。

だから、だけど……。


「First name……」


あぁ、そうか、これは恐怖なんだ。そうなんだ、私は、怖いんだ。ねぇ、カカシ、私……。


「First nameは酷い奴だな」

「え」


またあの顔でカカシが見下ろす。ううん、もっと傷付いた顔。私が彼を傷付けた。でも、それは私もだ。


「お前、良い加減にしろよ」


そんな、だって、そんな、そんな、そんな。
ただ、私は、怖かっただけなのに。

軽蔑するように私を見下ろすカカシが冷たい私の体を抱いた。そこには温もりも愛おしいさも、何も何も何もなくて、ただただ痛みと恐怖だけが続いた。

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