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ありがとうございます。

予告編
どく、どく、どく、どく。
五月蝿い鼓動を止めたくて息を堪えた。
それでも、五月蝿い鼓動は止められなくて、どうすれば、どうすれば、あぁ、そうだ。止めてしまえばいいんだ。
相手に向けていたはずの切っ先が、くるりと自身の胸に切り替わった瞬間、相手の唯一見える部分である目が瞠目したのがわかった。

あぁ、隙だらけじゃないか。
その瞬間、また切っ先が変わった。

「……」

ザー、ザー、ザー。
古いテレビ画面の砂嵐のように打ち付ける雨が、五月蝿い鼓動をようやく掻き消してくれた。

「やまぶ鬼、終わったぁ?」
「……うん、今終わったとこ」
「うお、心臓一突き、やるう」

ひゅうと口笛を鳴らしたいぶ鬼を小突いて、もう何事もなかったかのようにくるりと背を向けた。

「ねぇ、御褒美に校長先生なにかくれるかなぁ?」
「どうだろ、あの校長先生だからなー」
「あー、お腹減った」
「あはは、やまぶ鬼はいつもそれだね」
「だってー、あ、忍術学園の食堂のおばちゃんのご飯食べて帰ろうよ!」
「えぇぇぇぇ」
「大丈夫だって、これ御褒美だと思えば」
「思えないよー、怒られるよー」

唇を尖らすいぶ鬼の手を引き、忍術学園へと駆けた。


どこのどなたの夢でしょうか?