「時の流れってさ、残酷だと思わないかい?財前光君よ」
「…………………はい?」

放課後、部活中。一試合終えた後の束の間の休憩時間にそれはそんな事を言った。
………いや、『それ』という表現は少し失礼か。仮にも相手は先輩で一応彼女という立場だ。

「私はね、時間の概念というものが凄く嫌いなのだよ」
「………嫌みッスか?俺今日誕生日なんやけど、」

誕生日が平日なのはとても辛い。主に女子からのプレゼントとか(休日な場合でも渡してくる奴はいるがそれでも量は減る)、部活とか。今年なんて最悪だ。何故今日に限って部長との練習試合があるんだ………あれか、嫌がらせ
それに加えて彼女の言葉。何が悲しくて誕生日という歳をとる日に時の流れについて聞かないといけないのだ


「嫌みでもなんでもないよ?ただまあ、財前が誕生日だって聞いたから少し楽しい冗談を、と」
「嫌み決定やん」
「敬語使いなさい」
「すんません」


楽しい冗談って何だソレ。


「……でもさ、誕生日が嬉しいと思うのって正味小学生までじゃない?私は小学生の時に悟ったよ、誕生日ってよく考えたら歳とるだけじゃんって」
「悟るの早いッスね」
「えっへん」


褒めてねえ


「……あ、でも、財前って今日で幾つ?」
「え?えーと……十四っすね」


自分の年齢を思い出せない俺。ちょっとヤバい


「あーじゃあまあ喜ばしい事なのか」


何故


「いやだってほら、今十四ってことはあと四年でしょ?」
「は?何が………」


言いかけて、気付いた。彼女が何を言いたいのかを


「………ということで四年後の財前への誕生日プレゼントは指輪で決定ね」
「いや、おかしいやろ………というかもう四年後の話ッスか?」


四年後、つまり十八歳。
………法律上結婚できる年齢である。
これはあれか、逆プロポーズという奴か


「……一応言っときますけど、そのプレゼントは絶対やめてください」
「え、何で?」

素で聞き返すかこの野郎
少し恥ずかしいながらも、口を開く。





「………そんなん、俺が指輪渡したいからに決まってるやん」





「………………それは、プロポーズととってもいいの?」
「勿論」


自分の顔が赤いのが分かる。恥ずかしいので目を反らしたくなった、が目の前の彼女も少し顔を赤くしていたのでもう少し見つめていよう


「…………あ、ありがとう?」
「何で疑問形?」
「いや、プロポーズとかって……その、初めてだし……」
「経験済みの方が驚くわ阿呆」





四年越しの、



(二人ともあっついなあー)
(部活中やってこと分かっとんのか?)
(多分二人ともユウジには言われた無いと思うで)
(((確かに。)))





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財前誕生日おめっとー!
ハアハア、後輩ひかるんハアハア(おまわりさーん!)

財前は敬語が可笑しかったりすると萌える(←)




「ひかたん」様に提出!



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