あたしの親友、竜ヶ峰帝人は所謂草食系男子だと、思っていた。
そう、思っていたのだ、この状況に陥るまでは。
「み、帝人…?」
ここはカラオケで、杏里が用事でこれなかった、そして今は帝人と二人。
ここまではとくに問題はない。問題があるのは、この体制だ。
「…ごめんね、紀田さん。
でも紀田さんだって悪いんだよ?」
僕と二人きりなのに、別の人の話をしたりするから
そう言ってあたしの頬を撫でる。
…あたしを押し倒した、ままで。
別に経験がないわけではない。
中学の頃に初体験は終えてるし、彼氏だって沢山いた。
あの大嫌いな臨也さんにだって抱かれたことはある。
(思い出したくもないが)
けれど、帝人は違う。
帝人とだけはそんな関係にはなりたくなかった。
今更純情ぶるつもりもないが、それでも帝人は友達のまま笑っていたかった。
それなのに。
「いやなら、振り払ってね。」
真っ直ぐな目に捕らわれて、結局あたしは最後まで抵抗できなかった。
あの目に弱いの(捕らわれたら最後)
(もう、逃げられない)
草食系だと思ってた親友は、実はとんでもない狼でした
やっぱ女体化は楽しいです←