好きなくせに馬鹿みたい
休み時間になるとシズちゃんの隣にいる女の子。

きっと多分、シズちゃんの事好きなんだろうと思う。


最近よく頻繁に話し掛けてるし。


ずっとシズちゃんの事見てるみたいだし。


嬉しそうだし。


しかもシズちゃんだって満更でもなさそうだ。


素っ気ない返事をしてるようだけどオレにはわかる。


シズちゃんを怖がらない女の子なんてそうそういない。


ただでさえ女の子との接触が少ないのだ、嬉しいに決まっている。


だってほら、笑ってるし。


あんな顔はきっと新羅にもドタチンにもオレにも向けられた事がない。



「(…化け物のくせに)」



女の子と手を繋いだ事だってないのに。


話し掛けられたくらいであんなにも嬉しそうになるなんて。


純情なくせに。


馬鹿みたい。


ずっとシズちゃんを見てたのはあの子じゃないのに。


ほんと、鈍感過ぎるのも大概にして欲しかったな。


きっと告白されたら断わらないんだろうね。


だってシズちゃん優しいもの。


オレは知ってるよ。


君は誰よりも優しい。


だから君は、告白されても断わらない。



そう思うと、心臓がチクリと痛んだ。









好きなくせに馬鹿みたい










(きっと昼食も彼女と食べるんだろうな)



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