意識しちゃってください
午後の授業は体育。


昼休みも残りわずかで、急いで教室へと戻った。


多分クラスメイトは皆着替えて移動済みだろう。



ガラッ



静まり返った教室。


しかしそこに彼はいた。



「…オレって悪運強いかも」
「ああ゙?」



着替えていたのは言わずとも分かるシズちゃんで。

というかシズちゃんしかいなかった。



「手前、まだ着替えてなかったのか」
「え?ああ、ちょっと用事でね」



ドアを閉めると更に静まる教室。


しかも二人きり。


なにこれ運命?


神様からオレへの当て付け?


だったらオレは神様を呪うね。



「時間無ぇぞ、早く着替えろ」
「分かってるよ…っ!?」



不意に視界に入ったシズちゃんの姿。


タイミングが悪かった。



上半身裸で。


無駄な脂肪の全く無い引き締まった筋肉。


下手にムキムキとかそんなんじゃない。


細いくせに、意外にも逞しい。



「(これであれだけの力出せるんだから、驚きだよね…)」



意外にもときめいてしまった自分。


なんて愚かだろうか。



「…何だよ」
「え?」
「さっきから何人の事ジロジロ見てんだ」



無意識にガン見してたらしい。


シズちゃんがオレを睨んでる。



「べ、別に…なんでもないよ」



頬に熱が集中する。


何動揺してんだ、オレ。



「そうか?じゃあさっさと着替えろよ」



着替えを済ませたシズちゃんはオレを残して教室を出ていった。


再び静まる教室。



「…馬鹿みたい」










意識しちゃってください










(あの腕に抱きしめられたい、だなんて)



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