さようなら、を促して
※付き合ってる設定です





「シズちゃん、別れよう?」

「ぁあ゙?」



高校時代からずっと付き合った彼に別れを告げる。

きっと生涯、これ以上に辛い事なんて何もない。



「どういうことだ、手前」



怒る理由もわかるよ、だって別れる理由なんて何もないから。



「もう、嫌なの」



本当は、別れたくない。



「シズちゃんの優しさも」



シズちゃんの笑顔が好き。



「シズちゃんの性格も」



シズちゃんの不器用なところが好き。



「全部全部、嫌なの」



私はまだ、シズちゃんが大好き。



「…」

「だから…別れよう、シズちゃん?」



この先もずっと一緒にいられると思ってた。

けれどもそれを不可能にさせたのは、紛れもない自分。

いつも面倒事に首を突っ込んで、取り返しのつかない状況をつくるのは私。

全部私が原因で、シズちゃんに迷惑をかける。



「お願い…」



出来るだけ感情を表に出さずに。

心がけてはいるものの、無意味に近かった。

恨まれるかもしれない。

嫌われるかもしれない。

もう会えないかもしれない。

シズちゃんを想えば想うほど、好きな気持ちは募っていく。

シズちゃんが好き、大好き。










さようなら、を促して










「シズちゃん…」



まだ私は、



「…ごめんなさい」



シズちゃんを、愛してる。



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -