おまけ 「シズちゃーん!!」 「臨也?っと…」 門田の所から走り去って数分後。臨也は静雄の身体に勢いよく抱きついた。 「どしたんだ?ジャージもういいのか」 「ううん…ジャージはもういいんだけど…違うの」 「?」 静雄の胸元に顔を埋め、臨也は小さく呟く。 「…シズちゃん、私の事好き?」 「は?当たり前だろ、好きだよ」 「ほんとに?」 「…なんでそんな事聞くんだよ」 「だってドタチンが、」 ドタチンと聞いて。静雄の顔色が微妙に変化する。 「門田がなんだって?」 「ドタチンが、なんか、私達が付き合うの認めないとか言って色々聞いてくるのっ」 「…あいつは手前の親父かよ」 静雄は臨也の頭を撫でながら、はあ、と溜め息を溢す。臨也が少し顔をあげると静雄は微笑した。 「心配すんな、ちゃんと好きだから」 「ほんと…?」 「ああ」 「じゃあ…キスして?」 ぎゅっと臨也が目を瞑ると、静雄は臨也の頬を両手で挟んでキスをする。唇を離すと、臨也は嬉しそうにはにかんだ。 「シズちゃん大好きっ」 「俺も好きだよ」 完全に回りの目など気にせずに、二人の世界を醸し出す静雄と臨也。クラス一同は、そんな二人を見守る事しか出来なかったのであった。 「(いつの間に…)」 「(喧嘩よりはマシだけど…)」 「(門田に同情…)」 「(てか教室でいちゃつくな!!)」 クラス一同の本音を、静雄と臨也が知る由もなかった。 |