結婚を前提に?
お昼からの授業は作文。テーマは「将来の夢」。ありきたりだけど、私はなんて書こう?
…私の将来の夢は、お嫁さん!!真っ白で綺麗な純白のドレスを着て、ヴァージンロードを歩くの!!
…なんて、シズちゃんなんかに言ったら絶対馬鹿にされるから口には出さない。けど、嘘ではない。
私だって女の子なのだ、ウェディングドレスには憧れる。


「へぇ…手前、そんな普通の夢持ってんだな」


ふと聞こえた声にバッと振り返る。思った以上に顔が近い、私の肩越しから、私の作文を覗く、シズちゃんの顔がそこにあった。


「な、な、な…!!?」


頭がパニックになる。口を魚のようにパクパクさせていると、私の考えを外したシズちゃんの言葉。


「でも、手前みてぇな野蛮なノミ蟲、どこの物好きがもらうってンだ」
「…っ余計なお世話!!!!//」


前言撤回。やっぱり馬鹿にされた。ムカつく、シズちゃんなんて大嫌い!!
シズちゃんの顔からそっぽを向いて、再び作文に向き直る。すると首筋に違和感がして、それがシズちゃんだってわかった。耳元に吐息がかかるほどに、近い。突然のことに、ドキリとした。


「シ、シズちゃん近「でももし、そんな奴らも現れなくて、誰にももらわれなかったら――」


これは心臓に悪い。ここは教室なのに、それさえも忘れてしまいそうになるくらい心臓が高鳴る。シズちゃんの一言一言が私の体温を上昇させて、私を真っ赤に染めあげる。



「――仕方無ぇから、俺が代りにもらってやるよ」


嗚呼、爆発寸前。
それから次の言葉で、私の心は撃ち落とされた。


「手前を扱える奴なんか、俺しかいねぇだろ?」


微笑するシズちゃんが妙に色っぽくて、妖艶で、かっこよくて。


「…ばぁか////」


一瞬だけ、頬にキスしてやった。
















(声が丸聞こえってことに気付いてないのか?)
(きっと二人は気付いてない)
(嗚呼、最恐カップル、ここに誕生)


そして皆で祝福しましたとさ。



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