それは私の願望です
別に、シズちゃんに電話をかけたくてかけたわけじゃない。
ただ、最期の最後に未練とか遺したく無いからと思っただけ。
でもちょっとだけ、後悔してる。








「手前が電話なんざ、珍しいな」


「…シズちゃん」



「毎日池袋に現れるくせに、なんだって今日は電話なんざ」



「…シズちゃん」



「らしくねぇな、ノミ蟲の分際で」



「…シズちゃん」



「嗚呼、明日は雨が降るかもな」



「…シズ、ちゃん」



「いや、雪か?」



「…シズ、ちゃん…」



「嵐が来てもおかしくねぇ」



「…シズ、ちゃん…っ」



「嗚呼、そんなことよりもだな」










「シズちゃ…「何で手前は、さっきから泣いてンだ?」










嗚呼、オレは今、神様とやらを信じよう。










「…シズちゃん」



「ぁンだよ、さっきから」





オレは今、とてつもなく、生きたい。





「…ごめん、ね」





嗚呼、神様。





「…臨也?」





オレはまだ、





「…もう、あえない…」





まだまだまだまだ、





「…シズちゃん」





この世界に、










「…大好き、だよ」










生きていたかったのです。





(未練…遺したくなかったのになぁ)





薄れる意識の中、オレはゆっくりと目を閉じた。



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