オ←デン
いい加減さっさと諦めたらどうなんだ。誰かが言う、言葉が反復する。響くのは何度目かもわからない嘆き。うるさいな、わかってるよそんな事。繰り返しては呆れる、もうウンザリだ。恋を患うなんて、このオレが。まあこれが恋なのかも怪しいが、機械いじりにしか興味の無かった人間がだ。色恋沙汰に現を抜かすだなんて思わないだろ。だから尚更、

「どうしたデンジ、元気ねーな?」
「…不毛だ」
「へ?」

無いんだよな、脈が。痛感する、あるのは古くからの友人としての腐れ縁くらいか、どっちにしろこれが恋仲に進展などするものか。到底ありえない、たとえ天地がひっくり返っても。わかってんだ、結局こんな筋肉ダルマを好きになったオレが悪い。その胸板に抱きつきたいなんて衝動あっちゃいけなかったんだ。それに抱くより抱かれたいなんて、言えるわけないだろコイツに。

「好きなやつがいるんだよ」

気付いてほしいようで、そんな事もなくて。臆病になる自分に駆られる焦燥に、また欲だけが募っていく。いつか言う日が来るんだろうか、なんて。思いながら嘲笑った。



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