ど←ひふ
「独歩」

眠る横顔に、名前を呼んでみる。浴びるように飲んでたもんな、多分ちょっとやそっとじゃ起きやしないだろう。誕生日、宴の後片付けの合間に顔を覗えば久々に見る上機嫌な寝顔。あとで布団に連れてかなきゃなんて思いながら頭を撫でる。

「(やっぱし好きなんだよなあ)」

何年も変わらない想いは募るだけ募って吐き出されることはない。打ち明ける日は来るんだろうか、あっても今更過ぎて複雑だ。一緒に居てくれるだけでいい、今はそれで満足してるから。なあ独歩、好きだよ。心の中ではなんとでも言える。ずっと傍にいてよ、なんて。きっと叶わない願いだ。



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