デュエス
卒業しても一緒にいるなんて保証は無い。だったら最初から期待もしない、欲も出さない。そうすればあとは時間が解決してくれるから、オレはそれまで待てばいい。それが出来れば、良かったんだ。

「男に二言はないぞ」
「何言ってんだよ」
「好きなんだ」

そう言いながら、さっき左手の薬指にはめた指輪ごとオレの手を握る。強すぎて振り払えない、熱すぎて息苦しい。頭ん中はぐちゃぐちゃで、じんわりと熱くなる感覚にも抗えない。近付いた顔に目を瞑る。

「(誓えるもんなら誓ってみろよ)」

この先一生をオレと生きる覚悟があるんなら、どうかこの手を離すなよ。面と向かって言えない代わりに、その手を握り返した。



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