ザプレオ
お前とならこの街で死んでもいいだなんてそんな事、この人が言うだなんて思わなくて。相変わらずクズだし、女にだらしないし。本気にするだけ無駄だ、なのにこんなにも胸は高鳴って。何が起こるかわからない毎日の中のほんの日常にすぎない、けど確かにある事実はもう覆らない。

「(聞こえてしまったから、あなたの声が)」

眼に映る現実よりも耳に届く残響を。胸の高鳴りは隠せない、今自分は目の前のこの人の眼にどう映っているんだろう。まるで恋人に囁くような声音だった、オレ達はそんな関係ですらないのに。

「(生きてはくれないんすか、ザップさん)」

最期は一緒に、それだけで満足出来るなら後悔なんてしない。死ぬまでの過程だって大事なんすよ、なんて笑って誤魔化した。



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