ゲイ宮×ノンケ高
噂が一人歩きした。どこで広まったのか、どこで見られていたのか。付き合ってちょうど一年くらい、卒業して2週間ちょっと。告白されたのは俺の方、始めからわかってた。あの告白も、言葉も。全部が偽りの、噂からきた遊びだって事。「先輩が好きなんです」なんて、会って間もない癖によく言えたもんだ。…なのに一年もよく、俺に付き合ったよな。なあ、

「高尾」

ベッドのスプリングが軋む。押し倒した身体を見下ろした。交じり合う視線、高尾は喋らない。お前は何を考えて、何を見てるんだ。女にあるような柔らかさも、華奢でもない身体を。お前は、お前が愛せるわけがないのを俺は知っている。

「セックスすんぞ」

だからほら、俺となんかヤれるわけもない。突き飛ばして逃げ出して、そのまま別れておしまいにしよう。なんだかんだ言ってお前といんの、結構楽しかったから。このままいい思い出のまま、お前と別れたいってのは俺の我が儘だ。

「…いいっすよ」

なのになんでお前は、そんなでたらめ。泣きそうな面で、震える事もしねぇで。俺を真っ直ぐ見据えて、お前は。

「好きなんで」

そんな言葉、よく言えるよな。なんて笑って、今度は俺が泣きそうになった。



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