土銀♀
好きな女が居た。今は亡き、彼女を未だに想い続ける俺を誰が酷い男だと罵るのだろうか。未練がましいと、一発殴ってでもくれりゃあもしかしたら目が覚めるかもしれねぇってのに。

「好きなら仕方無ぇだろ、おれがどうこう言える立場でも無いし」

白髪の女は笑い話にするでもなく、罵るのでもなく。ただ仕方が無いと、なだめるように俺の肩に手を置いた。話す相手が間違いだったんだと、言えればそれで良かったんだが。真面目に俺の話を受け入れる、こいつが俺の救いとなるだなんて思いもしなかった。肩に置かれた手を取って、握り締めては顔を窺う。好きな女が居たんだ、と云う過去形。それがどういう意味かだなんてのは、勘の良いお前にならわかるだろ。



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