小ネタというか勢いで書く唐突文。
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帝幻
『愛してる』と『死にたい』には、きっと同等の意味が込められているのだ。その証拠に、貴方を想うと胸が張り裂けんばかりに痛みだす。このまま死んでしまいたいくらいの想いと共にいっそ墓の中へ埋めてしまえれば、と。何度思った事だろう、何度、その度に彼を思い出してはむせ返るような甘い痛みに耐えただろう。辛いなどと弱音すら吐く事なく、全て貴方のせいなんだと言えればどんなに楽か。当の本人はそんな事知る由もなく、ただただ苦しいのは自分だけ。言葉に出さなければいいのだ、何事も起こらない。ただ少しばかり疲れた、その時の自分にはもう限界であった。人の気も知らないで、豪快なイビキを響かせながら眠る彼の傍らに座り込む。こんな男を愛する事になるなど誰が思うものか。この男に尽くし、この男の為に死にたい。恋は盲目だとはよく云うが、まさか自分に当てはまるなどとは微塵も思わないだろう。

「…愛してる」

か細く溢した、我ながらなんて女々しい声音だ。反吐が出る、死にたい、しにたい、シニタイ。

「俺もだよ」

愛した男が目を開く。いつの間に、と逃げるスキもなく抱き竦められる。意地の悪い男だ、なんて言うまでもない。






























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