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好きと言ったら、ちゃんと答えてくれるのだろうか?…いや、それはあり得ないな。いつものように嘲笑して「ばぁか」と言いながら真面目になんて答えてくれないはずだ。


「(こんなにも、好きなのに)」


伝わっても、答えてくれないのなら意味がない。ちゃんとあの子の気持ちを確認して、それからちゃんと手に入れたいから。好きだから大切にしたいって思うのは、当然の事だろう?


「…花宮、」


小さい身体がこんなにも愛おしい。サラサラの髪も、唇も、全部好きだ。


「愛してる」


意を決して口から滑り出てきた言葉は『好き』の上の『愛してる』で。だいぶぶっ飛んじまったか、と思いながら目の前の彼女の表情を窺う。


「…ばぁか」


やっぱり返事はお決まりの「ばぁか」で、だけど嘲笑した様子には見えない。それどころかその言葉はまるで照れ隠しのようで、嗚呼、紅潮した頬や耳がなんともまあ…可愛くて。


「(これは、いいって事で、いいのか?)」


この子の性格は俺が一番よく理解しているつもり。だけどもし違ったら、全部水の泡だ。


「(それは嫌だなあ…)」


色々頭の中で考えて、悩む。唸っていたら、不意に小さな手が俺のシャツの裾を掴んでいるのに気がついて。


「…くだらねー事考えてんな、ばぁか」


そんな彼女の姿を見たら、考えが頭の中から全部吹っ飛んで。嗚呼、やっぱり可愛いな、って思いながら小さな身体を抱きしめる。


「じゃあ、いいって事か?好きでいても」
「…んな事自分で考えろよ」
「え、考えるなって言ったのに…」
「うるさい」


でもまあ、背中に回った腕がこの子なりの了承の証という事で。そう自分で解釈して、とりあえず離したくないからもっと強く抱きしめたら、「痛ぇよばぁか」と言われて思わず笑った。


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