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なんとなく、寂しい感じがした。別に寂しくなる事なんてないのに。それでもそんな事を思うのはなんでだろうって思っていたら、無意識に久保ちゃんの服の裾を掴んでいた。


「どうしたの、時任」


そう言って頭を撫でてくる久保ちゃん。向けられた笑みに、胸元がぎゅってなる。


「寂しくなった?」
「…久保ちゃんてエスパー?」


オレの考えてる事なんてお見通しだって言うみたいに「かもね」って言う久保ちゃんはやっぱり久保ちゃんだ。途端にオレの身体を抱き寄せて、ぎゅっと抱きしめられる。


「久保ちゃんてさ、タラシだよなー」
「…どこでそんな言葉覚えたの」
「別にー」


緩む頬を久保ちゃんに押し付けるように腹に腕を回して。やっぱ久保ちゃんがいるから寂しくねぇって事を実感する。


「まあ、寂しくなったらいつでもこうしなさいよ」
「久保ちゃんやっさしー」
「俺はもとからやさしーでしょ」


そう言って笑いながら頭を撫でてくる久保ちゃんの手はあったかい。うん、やっぱ寂しくねぇや。それが何だか嬉しくて、それからもっと腕に力を込めた。


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