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「緑間っち誕生日おめでとうっスー!!という事で、オレをプレゼントするっス!!」
「いらないのだよ」
「ぇえ酷っ!!」


黄瀬がいきなり家に来たのはちょうどお昼を回った頃だった。しかも、


「俺の誕生日は昨日、七夕の日なのだが」
「え、嘘っ!?ご、ごめんっス緑間っち〜!!」


嗚呼、通りで昨日のおは朝の占いはかに座が最下位だったわけだ。好きな奴に誕生日を祝ってもらえないなどこれ以上の運勢最悪な日はない。…なんて思ってたのがつい昨日の事。


「七夕っスか…」
「なんなのだよ」


チラリと上目で見上げる黄瀬は、俺より低いが長身でモデルで男なのだが……惚れた弱みというやつか、可愛いと思ってしまう。


「じゃあ昨日会えなかったのは、オレ達にとっての天の川って事で…」
「意味がわからないのだよ」


俺に許しを乞うように理由を考えているようだが、正直そんなものはいらない。


「黄瀬」
「なんスか…っ!?」


冒頭で言ったのが本気なら、許してやる代わりに好きにさせて欲しいんだが。そう耳元で囁くと、抱き寄せた黄瀬はたちまち顔を真っ赤に染め上げる。


「ぅ、あ…緑間っち…っ」
「嫌か?」


まあ、断る権限などないがな。いやそれよりも、お前が断れない事くらい知っているから。


「…や、優しくお願いするっス…」


そう言って首に腕を回して抱き着いてくるこいつを、俺はいつも許してしまうのだ。





彦星と織姫





「昨日会えなかった分たっぷり可愛がってやるのだよ」
「え、緑間っち…っん、」


ちなみに今日のかに座は一位なのだよ。


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