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人肌が恋しい。ふとそんな事を思って、とりあえず近くにいたノノハに抱き締めてもらったら。…なんか、オレにはないものというか、胸があたってなんだか虚しくなった。
次にキュービックに抱き締めてもらったら。…どっちかというと、オレが抱き締めてるみたいになった。
次にアナに抱き締めてもらうと。…色々、なんか、その、複雑な気持ちになった。
……で、この流れでいくと次は言わずともわかるあいつになるわけだが。


「…別に、あれだぞ。変な意味とかじゃないからな。みんなにしてもらってるから、お前だけ仲間外れにすんのもかわいそうだと思ったからだぞ」
「…なんだか知んねぇけど、とりあえず抱きしめりゃいいのか」
「……うん」


妙に緊張するのは仕方ない。キュービックやアナも同じ男だけど、こいつは見た目から『男』って感じがするから。…アナとは違うような、複雑な気持ちになる。


「あー…こうか?」
「っ…」


言葉の通り、ぎゅ、と。ギャモンの腕がオレの身体を抱きしめる。逞しい腕と、胸元。おずおずと背中に腕を回して、ギャモンに抱き着く。…なんか、妙に身体が熱い。心臓の動きが速くなる。


「(変な気分…)」


安心するというかなんというか。ぎゅう、と抱きしめられる腕の力が強くなるのと、ギャモンが身動ぎするたびに。息が、止まりそうになった。


「(ドキドキするとか、有り得ねぇ…)」


ぎゅ、と強く抱きつき胸元に顔を埋める。なんだか、顔とか色々熱くなってきた気がする。


「…ギャモン」
「なんだ」
「……なんでもない」


もっと強く抱きついて、もっと深く顔を埋めたのは。きっと、赤くなった顔を見られたくないからだ。
だから、





もう少し、このままで





「(どうしよう、)」


離れたくない、だなんて有り得ない。


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