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「僕は、ビショップがいるからこうして生きていられるんだろうね」
「…はい?」


ふとルークが呟いた言葉に、ビショップは目を瞬く。暫し無言でいると、再びルークは口を開いた。


「僕は料理も出来ないし、自分の身支度だって全部君に任せてる」
「……」
「僕一人じゃ何も出来ないんだ」


ルークの言葉はビショップの脳内に響く。確かに自分は彼の全てを任されている身、しかしそれは当然の事だ。自分以外に彼を任せられるような人物など他にいないのだから。だけど自分がいなければ、この人はきっと別の執事を雇うんだろう。
…なら、自分だってそうじゃないか。


「なら私も、貴方がいないと生きていけませんよ」
「…どうしてだい」
「私はルーク様の執事としてここにいるのです。貴方の為にこの身を全て捧げる覚悟もしております。私にはそれが生き甲斐…ルーク様がいなければ、私に生きる意味などありません」


きっと貴方に付き従う為に、私は存在しているのでしょうね。そう言って笑うビショップに、ルークもまた、笑いながら言う。


「じゃあ、お互い様だね」
「…そうですね」


ルークはビショップの服の裾を掴む。どうかしましたか?とビショップが問うと、


「君がいないと生きていけない」


だからずっとそばにいてね、と言って笑った。





君がいないと





「…もちろんルーク様も、ですよ」


私から離れないでください。
そう言って服の裾を掴む彼を、そっと優しく抱きしめた。


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