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スカートが、ひらり。
何のためらいもなく動き回るもんだから、そりゃもう目に毒というかなんというか。


「…おい、見えてんぜ」
「へ？」


キョトン、と何の事だかわからないらしい。目をぱちくりさせるこいつはやはり馬鹿だ。


「パンツ」
「なっ…!?」


途端に紅く染まる頬。嗚呼、ここにいるのが俺だけでよかったぜ。こんな顔、他の奴等になんか見せらんねぇ。


「す、スケベ…っ!!」
「はあ？てめえがちょこまかと動き回るのが悪いんだろうが」
「う…」


何も言い返せないようで、唇を噛みしめるカイト。チラリと上目で俺を見上げるその姿に、ドキリと胸が高鳴る。


「…なんだよ」
「…別に」


無意識にガン見していたらしい。疑いの眼差しを向けられたので意識を遠ざけるように視線を逸らすが、それがこいつの気に障ったようで。


「…っギャモンのバーカ!!」


突っ掛かってきやがった。
胸ぐらを掴まれ距離が縮まり、ほどよい大きさの胸が押し付けられる。あ、やべえかも。


「…っ馬鹿はお前だ」
「え？」


細い腰に手を添えて。引き寄せて、身体を密着させる。


「見るだけじゃ足りねぇ」


股の間に脚を割り込ませて、乗っけるように。身動ぐとぴくん、と動く身体がなんかエロい。


「なあ、カイト」
「…っ」


抵抗するものだと思いきやそうでもなくて。動けないのか、とも思ったが口を動かし何かを言おうとしている。


「…ょ」


だがそれは聞き取りにくい小さな声で、首を傾げて耳を近づける。その際にも更に近づく距離と、それから俺の服をぎゅっと掴むカイトのか細く小さな手。


「…っい、ぃょ…」


やっぱり小さいが、はっきりと聞こえた。いいって事は、つまりそういう事なんだろう。


「いいって、何するかわかってて言ってやがんのか？」
「わ、わかってるよそんくらい…」
「じゃあ、」


何で。
流されてるだけだろ、って言ったら違う、と小さく首を振るカイト。


「オ、オレ…お前の事…好き、だから…っ」


そう言って、ちゅ、と音がするようなキスを頬に一瞬感じる。顔が見れないのか、離れたあとすぐさま俺の胸に顔を埋めた。


「…カイト」


嗚呼くそ、半分冗談で煽ったつもりだったのに。


「…な、に」
「てめえ、覚悟しろよ…」


今夜は寝かさねえぞ。
そう言うとバッと真っ赤な顔を上げたその隙に、その唇を奪ってやる。涙目になった目元を親指で拭いながら、それから唇を離したあとに耳元で『好きだ』と囁いてやった。

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