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「ギャモンのバーカ!!」
「ああ?今なんつったバカイト!!」
「何度でも言ってやるよ、バーカバーカバーカ!!」
「カイトてめぇぇぇぇ!!」


どたばたと喧嘩をしつつ追いかけっこを繰り広げるカイトとギャモン。周りはそれをまたか、と呆れながら見守る。


「おら、捕まえたぞ」
「うわっ!?」


捕らえたカイトをギャモンは壁に押し付ける。身動きのとれなくなったカイトは、くそっ、とギャモンを睨み上げた。


「ギャモンのバーカ、お前なんて大嫌いだっ!!」
「まだ言うかこいつ……いや、待てよ」


そう言ってギャモンはふと思い至ったように首を傾げる。なんだ、なんだっけな…と記憶をたどる。そんな様子を不思議そうに見つめるカイト。


「…どうかしたのか?」
「いや、違う……あ」


途端、まるでパズルのピースがはまったかのように思い出すと、にやりと笑うギャモン。


「カイトォ…」
「な、なんだよ、」
「俺の事が大嫌いなんだよなあ?」
「お、おう」
「そうか…ところでお前、今日が何の日か知ってるか?」
「今日?」


何かあったっけ…と考えるカイト。


「…わかんねー」


するとギャモンは口角を上げて、


「…今日は四月一日、四月馬鹿だぜ?カイト」


だから言った事は全部嘘、という事はさっきカイトが言った『大嫌い』はその逆になる。意味のわかったカイトは、途端に顔を真っ赤に染め上げた。


「ち、違…っ」
「違わねぇだろ、カイト。認めやがれ、俺が好きだって」


背中は壁。逃げる事の出来ないカイトは、今にも爆発しそうな勢いで。ほら、と急かすギャモンを見上げて、


「っ…ギャモンのバーカ!!お前なんて大好きだコノヤロー!!」


と叫んだ。





「カイトがギャモン君に告白した…」
「アナが思うに、二人共付き合っちゃえばいいのにね」


…なんて誤解されたとかされなかったとか。


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