log
←new old↓




「新しい旅はどうだい?」
「うん、楽しいよ」
「そう、よかった」


画面越しに見えるのは互いの顔。近いようで、だけどそうではなくて。触れる事の出来ない代わりに画面に手を触れる。そしたら画面の向こうのそいつも、同じように手を添えた。画面越しに、合わさる手のひら。


「シゲルは研究どう?進んでる?」
「相変わらずさ。まあ、進んでるっていうよりも毎日新しい発見があるからね…きりがないし、忙しいかな」


でも楽しくやってるよ、って笑うそいつ。自分もそっか、って笑ってやって、ふと思い至ったように笑うことをやめる。


「……シゲル」
「うん?」
「帰ったら、会いに行くから」


そう言ったら、わかってるよ、って言って目を瞑るシゲル。


「待つのには慣れてるさ」
「……うん」
「気長に待ってるよ」


だから安心して旅を続けてくれ。そう言って微笑するお前が待っていてくれるから、オレは安心して旅を続けていられる。だけどお前のその顔を見るたびに、オレはお前にたまらなく会いたくなるんだよ。


×