▼こもれび

幕末の世、新選組と呼ばれた鬼の巣窟へと足を踏み入れた二人の若者。
生きる意味を捜す少女と兄への復讐を誓った少年……刀を掲げ、迷い嘆く。

己の誠に全てを賭ける者達が紡ぐ物語は『時空』と『復讐』……

奇跡は要らない、たった一つの途を行く。


近藤花梨
「なっ違いますって! 尊敬しているだけっすよ」

本作のメイン主人公。
近藤勇の再来と謳われた剣道の達人。
新選組では成り行きから男装をしており、『堂リン』と名乗っている。
平隊士として一番組に所属する。
面倒臭がりで何事にも無関心、何となくで生きている無気力人間。
拾ってくれた土方に感謝すると共に、尊敬心を抱いている。
人の機嫌を損ねさせるのが得意な嫌味の塊的存在。
本人に一切悪気がないのでタチが悪い。
ただし、葵壱に関しては確信犯。


琥雲葵壱
「仲間なんて……必要ないんだ」

本作のサブ主人公。
新選組の平隊士で十番組所属。
どこまでも真面目でどこまでも小心者、そして頑固。
大きな音や声、怖い話や刀や血にびくびくびくびく。
リンとはいつも一緒にいるが、仲良しだと言われると抵抗する。
土方と斎藤と山崎を苦手としている。
特に土方に対しては異常なまでに怯えを見せ、隊士達も呆れるほど。
隊士達の暇潰し(悪戯)の格好の餌食となっている。


土方歳三
「……俺と来い。行くところがないならな」

新選組副長。
厳格で常に仏頂面、何に、誰に対しても容赦がない。
浪士だけでなく隊士達からも鬼と恐れられている。
実は世話焼きでお人好し。
女性には(わりと)優しいため、もてる。
昔から本城には弱い。
隠れ趣味は俳句。


沖田総司
「横暴だなぁ、うちの鬼は」

新選組一番組組頭。
常に爽やかな笑顔を見せているが、腹の中は真っ黒。
悪戯が大好きで、主に葵壱や土方をからかって遊ぶのが日課。
普段は子供っぽい言動が目立つが、不逞浪士相手には一切容赦しない。
リンのことを気に入っており、度々二人で出かけるところを見かけられる。
子供に懐かれやすく、本人も子供好き。
神崎とは因縁があるらしい……?


本城雅琴
「いいのよ、いいのよ。貴方が無事ならそれで」

新選組副長。
近藤は遠い親戚に当たる。
面倒見が良く、時に優しく時に厳しい。
隊士達のお姉さん的存在。
好奇心旺盛なため何でもやりたくなり、土方に『頼むから自覚を持ってくれ』と嘆かれる。
外の人間には存在を知られないよう、一切外に出ず屯所内で過ごしている。
守られているだけなのに幹部の立場にいる自分が許せず、常に悩んでいる。


神崎悠季
「早く、殺してください」

盲目の二刀流剣士。
優秀な監察方だったが、ある事件から幽閉されることに。
足音で相手を判別したり、気配を読むことも得意。
昔は明るく素直な性格だったが、今ではそれが嘘のようにひねくれている。
斎藤にだけは心を開いている。
古株達とは試衛館時代からの長い付き合い。


斎藤一
「やめておけ。これ以上の打ち合いは無益だ」

新選組三番組組頭。
無口で生真面目、表情が滅多に変わらないのが特徴的。
真剣に考えているように見えてもボーッとしていることが多い。
その反面、思慮深いところがある。
日向ぼっこが趣味で、暇さえあれば縁側で茶をすすっている。
組頭を務める傍ら、監察方の仕事や幽閉されている神崎の担当もしている。
居合の達人。


永倉新八
「こらこら二人共、調子に乗らない」

新選組二番組組頭。
剣術は新選組でも指折りの腕前だが、それを一切鼻にかけることがない。
いつでもどこでも『なるようになる』で済ませてしまう緩い性格。
酒と女に弱く、土方の目を盗んでは原田達と島原へ遊びにいく。
噂や説教などを笑って流す癖がある。
咲夜との仲を疑われると笑って誤魔化すので、噂に拍車をかけることになっているが、そのことに全く気付いていない。
原田・藤堂と仲が良く、影で『新選組の三馬鹿』と呼ばれている。


原田左之助
「がはははは! 飲め飲め!」

新選組十番組組頭。
大雑把で大胆、かなり喧嘩っ早い性格。
刀より槍を愛用する。
筋肉質な体と切腹傷が何よりの自慢。
永倉と同じく、酒と女に弱い。
祭り好きなため、常に騒いでいたいらしい。
『がはははは!』という豪快な笑いが聞こえたら間違いなく原田である。


藤堂平助
「お前、俺の子分にしてやってもいいぜ!」

新選組八番組組頭。
悪戯好きのお調子者で、最近は葵壱をからかって遊んでいる。
年下のリンよりも若く見られるほど童顔で、背が低い。
よく沖田や原田にからかわれていたため、葵壱が入隊してくれてホッとしている節がある。
永倉、原田以外だと同年代の沖田や斎藤とも仲が良い。
基本的に誰とでもある程度までは仲良くなれるが、心の中は絶対に覗かせない。


霞夜
「私の目は誤魔化せないんだから!」

新選組監察方。
普段は女中として隊士達の身の回りの世話をしている。
天然で色恋に疎いが、他人の恋心には敏感。
職業柄観察力が鋭く、隊内で唯一リンが女だと知っている。
監察方の仕事以外はからきしで、何をやっても失敗する。
なので、女中の仕事はリンや葵壱を中心に隊士達が行なっている。
いつも笑っていて、喜楽以外の感情は面に出さず、少し人間味のないところもある。


咲夜
「ああ君ね! トシ君が言ってた有望株ってのはっ」

新選組監察方。
普段は女中……のはずなのだが、やる気がなく仕事を覚えようともしない。
楽天的な自由人で、面倒臭がり。
土方相手にも友達感覚で接す、怖いもの知らず。
しかし永倉だけは例外で、どう接したらいいか分からず上手く付き合えない。
霞夜とは義姉妹の関係にある。


山崎烝
「調子に乗んなや、糞餓鬼」

新選組監察方。
無口で無愛想な一匹狼。
他人を寄せ付けようとせず、心を閉ざして生きている。
幹部隊士には敬語を使うが、目下の者には容赦ない大坂弁が飛ぶ。
甘えや弱音を吐く人間が大嫌いで、葵壱を目の敵にしている。
咲夜の事は、背を預けられる数少ない人物の一人として信頼している。
土方を尊敬し、彼のために働き死ぬことが唯一の望み。


近藤勇
「悪いようにはしないから安心してくれ」

新選組局長。
温厚で寛大な心を持ち、その包容力から周りに人が絶えない。
いかつい顔からは想像できないほど人情深く涙脆い。


山南敬助
「少し休憩しよう。お茶でもどうだい?」

新選組総長。
穏やかで微笑みの絶えない優しい人柄から、仏の総長と呼ばれている。
リンにはそれが演技に見えるらしく、嫌煙されているので仲良くなろうと必死になるが、から回っている。


伊東甲子太郎
新選組参謀。学があり弁舌に優れている。

井上源三郎
新選組六番組組頭。人の良い性格だが頑固者。

松原忠司
新選組四番組組頭。常に笑顔の温厚な性格。

武田観柳斎
新選組五番組組頭。上役に媚び諂う男色家。

百合
リンが通っている団子屋の看板娘。気立てが良く話し上手な人気者。

舞子
葵壱の亡き姉。郁の兄の元に嫁いだ。


琥雲郁
「俺は女にしか興味がない、むしろ女が大好きだ」

攘夷派の浪士で葵壱の義兄。
両親を殺し、葵壱を一人残して逃亡する。
軽くていい加減。
何故かリンを女だと見抜いており、出会う度に口説く。
百合のいる団子屋に通っている姿を度々見かけられる。
最近、リンから変態と呼ばれることに快感を覚え始めている変態。


!注意!
実際の武田さんは男色家ではありません。

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