嫌味上手な二人
カリ「ねぇねぇ、リン! リンって幾何学得意なんだよね?」
リン「は? きかがくーって何? つか僕に勉強教わろうとしてる?」
カリ「駄目?」
リン「駄目というか無駄だと思う。僕は相当教え方が悪いからね。理解するどころかさらに悪化するかもよ」
カリ「うえぇぇそれはやだなあ」
ラウ「自分でやれということですよ。人様に迷惑をかけないでください」
カリ「えー……」
ラウ「えー、じゃありません。とにかくリンにはお引取りいただいて……」
カリ「じゃあラウトが教えてくれるの?」
ラウ「……は?」
リン「僕が帰る、となるとそうなっちゃいますよね自然な流れで」
ラウ「どうしてそうなるんですか……大体、貴方には初めから教える気なんてないでしょうに。それと、幾何学というのは平たく言えば数値を求める学問です」
リン「あ、わざわざありがとうございます」
カリ「ラウトって律儀だよね!」
リン「うん、僕もそう思う。まあただ細かいだけかもしんないけど」
カリ「前イルが言ってたよ、キルバス公は細かいって」
ラウ「……あとで絞めますか」
カリ「な、何を!?」
リン「まあそこは気にしない方がいいんじゃない? ラウトさんがピーッな性格だってバレちゃうとモザイク的にモザイクだし」
ラウ「事態を悪化させるようなことをぺらぺらぺらぺらと……!」
カリ「モザイクがモザイク? 何?」
ラウ「気にしないでください、彼の戯言に耳を貸すとそこから腐っていきますよ」
カリ「うえぇぇぇ!? それは嫌だなあっ!」
リン「……本気にするってどうよ」
ラウ「こういうところが面倒です」
カリ「んん!? 何か今聞き捨てならないことを言われた気が……」
リン「気のせいだよ。ラウトさんのだみ声聞きすぎて耳が老化しちゃったんじゃないの?」
ラウ「気のせいです。貴女はそうやっていちいち突っかからなければ生きていけないのですか? 馬鹿馬鹿しい人生だとは思いませんか? そんなことで人生を終えるならば幾何学に一生を捧げてください、そして俺に近付かず平和な暮らしを満喫してください。それと俺はだみ声ではありませんし、彼女の目と耳は元々悪いので老化に伴うものではありません。リン、貴方の戯言で腐り落ちてしまった彼女の耳に心底同情します」
カリ「私の耳は老化していないし腐り落ちてもいない! 変な言いがかりはやめて! そして言い合いに私を使うのはやめて! それからラウトはさり気なく目を追加するの止めて! 二人共意地悪意地悪意地悪意地悪!!!」
ラウ「あの、少し宜しいでしょうか」
リン「何すか?」
ラウ「俺には山ほど課題があるので早く戻って仕上げないといけません」
リン「うん、僕も課題しようそうしよう」
カリ「置いてかないでよぉ! それにラウトは課題なんて残ってないでしょ! リンにおいてはその課題すらないでしょ! ねぇ、ねぇってば!!」
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