笹塚と石垣が再び厨房に行く。そこにはテーブルの上に置いてあった料理に釘付けになっている弥子がいた。
弥子はその料理に関する知識云々をつらつらと語りだす。その熱弁を聞いていたシェフが、食べてみるかい?と弥子に提案した。


現場に置いてある料理を食べるなんて普通の神経じゃできないだろ…。できるものならどんな神経なのか聞いてみたい。


「いいんですか!?」


そんな笹塚の思いを一瞬で打ち砕く言葉が弥子から放たれた。


本気かこの子は。


笹塚は呆れと驚きで言葉をつまらせた。

どうぞ、というシロタの答えに、喜びを隠しきれない弥子は目をキラキラさせ、すぐさまフォークを持ち料理を口に運んだ。そんな彼女をみて、笹塚はため息をこぼす。

料理を口に運び、おいしい〜!と感動を伝えた弥子。



−だったが、次の瞬間とびきりの笑顔は消え、少し悲しそうな顔をした。


「・・・けど、なんだかこれ、料理じゃない。食べるってことに失礼な気がする」


その発言がシェフの逆鱗に触れた。
怒ったシェフは究極の料理を作る!と言い残して自分の厨房に閉じこもってしまった。




「あ〜あ、怒らせちまったな」
「す、すいません・・・」




謎が、動き出す