目の前にあるお前の顔



オマエが死ぬほど好きだ



オマエの全てが好きだ



でも、この距離が邪魔だ



壊してしまおう



その距離約―――――――――





― 13センチメートル ―





「なぁなぁ、ディーノさん!」
「んー?何だ、武。」

にこにこと楽しそうにやってくる山本にディーノは「可愛いなー。」とベッドに腰掛けながらしみじみと思う。すると目の前にお菓子の箱を差し出された。

「今日、ポッキー&プリッツの日なんスよ。」
「あっ1が続いてるからか?」
「はいっ!それで…その…。」

急に黙り込んでしまった山本の顔はみるみる赤くなり、ディーノが「ん?」と言って首を傾げると、目を剃らしながら山本が呟いた。

「ポッ…ポッキーゲーム…しませんか?」
「ッ…うわぁ!?」

あの山本からまさかそんな単語が出てくるとは思ってもみなかったディーノは、ベッドをズリ落ちて床に尻餅をついた。

「ディーノさんっ大丈夫スか!?」
「…大丈夫だ。何で急にそんなこと?」
「あの…小僧が"ポッキーの日は恋人とポッキーゲームする"って言ってたのな…。」

またアイツは変なこと吹き込みやがって、と思いながらも、ディーノはこのおいしい状況をありがたく楽しむことにした。

「多分それ…間違ってるぜ…?」
「えっ…。」
「んでも、せっかくなんだし…やるか?」
「ッえ!?…あの、えっと…。」

耳まで真っ赤にした山本をポンポンッとベッドを叩き、座らせる。そして自分もベッドに腰掛けてポッキーの箱を開けた。

「ほらっ。」
「えっ…んむ!?」

スッとポッキーを山本の口に突っ込むと、ディーノはニィッと笑ってその反対側のポッキーの先を口に含んだ。

「ヘヘッ、よーし俺は食べるからな〜。」
「ヘッ!?ちょっ…タンマッ…」
「口から離したら罰ゲームだぞ。」
「そんな…。」

ムーッと口を尖らせている間にもディーノは着実に食べ進み、もう半分近くまで来ていて山本は慌てて目を剃らし、カリッとほんのりビターな味のするチョコレートポッキーの先端をかじった。

「武ー、顔斜めにしてくれよー。」
「むっ無理ッス!はっ恥ずかしい…のな。」
「ほらほら、キスするときみてーに。」

相変わらず顔は林檎のように赤いが、もう観念した様子でディーノに言われた通り、顔を傾けた。

「良くできました。」

ニッと笑ってディーノは最後の欠片を口に含むと同時に、山本にキスを落とした。

「んッ!?」

ヌルッとした感覚と共に唇を割ってディーノの舌が口内に侵入し、歯列をなぞり、山本の口内を犯す。先程まで食べていたチョコレートの甘さがキスと共に広がり、いつものソレより甘さを増した。

「んッ…ハァ…。」
「ごちそうさま。」

ペロッとディーノは山本の下唇を舐めてから、名残惜しそうに離れた。

「ポッキー、美味しかったな。」
「…はぃ。」
「んじゃあ、もっかいしようぜ!な?」
「ぇえ!?勘弁してくださいよぉ…。」



約、13センチの距離


早く埋めたくて


埋めたくて


必死だった。


距離はゼロ


二人の想い



一つになって―――――――








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ポッキーの日にリア友の風華からもらっちゃいましたv
天然カップル可愛いですによによする…!!
ディーノさんの余裕な態度と、それに翻弄される山本っちゃんのあたふたしてる感じが可愛すぎます…!いいぞディーノさんもっとやれ!

W天然ごちそうさまでしたv
まさかポッキーの日にこんなサプライズがあるなんて思わなかったよ!風華ありがとう!!





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