あなたに触りたい

優しく頭を撫でてほしい

最近いつも思うの



「なんだお前。ガキなのに欲求不満なのか?」
「違います。あなたと一緒にしないで下さいシリウスさん」
「じゃあ一体なんなんだよ」

口を尖らせたアゲハの頬を片手で挟み、シリウスはため息をつきながら足を組む

「わかんないから聞いてんのー」
「アゲハ、欲求不満なんて話をシリウスにしちゃだめだよ。彼はそんな言葉とは無縁なんだから」
「ちっがーう!!」

横からジェームズが喉をククッと鳴らしながら笑う

「まずジェームズとシリウスに相談するところから間違ってるよ」
「リーマスさん…」
「僕なら絶対しない人選ミスだね」

トン、と本を置き、アゲハの横にリーマスがにこやかに座った

「ううっ…」
「笑いながらさりげなくトドメを刺すところがなんとも言えないね」

苦笑いでリーマスとアゲハを見比べるジェームズ

「あ、あの…アゲハちゃん、シリウスの弟が呼んでるよ」

羊皮紙を大量に抱えたピーターが入口でレギュラスがアゲハを呼んでいたと教えてくれた

「ん……レギュラスが!?わ、私行ってくるね!」

アゲハは勢いよく立ち上がり、嬉しそうな顔で荷物をまとめて談話室をでる階段に向かって走った

「行ってらっしゃい」

リーマスがにっこりと手を振りアゲハを見送る

「ヤるなら…」
「自分の気持ち、素直に伝えてみるといいよ!」

ジェームズがシリウスの口を塞いで言葉を遮り、大きな声でアゲハに助言した
少し遅れて、わかったーっと大きな声とパタパタと階段を降りる音を最後にアゲハは去っていった




「レ…レグルス!!」
「…アゲハ…あなた一体何やってるんですか」

アゲハは談話の扉の目の前にいたレグルスに勢い良く抱き付き、レグルスは抱きついてきたアゲハの腰に手を回して支えた

「あ、あのね、駆け込み寺に行ってきたの」
「……(カケコミデラ…?)」
「私ね、レグに言いたい事があるの」
「僕に言いたいこと?ちょうどいい、僕もアゲハに言いたい事があります。」
「…なぁに?」
「お先にどうぞ」

床に優しく下ろしたアゲハの頬が少し赤くなる
アゲハはレグルスの両手を掴んで意を決して言った

「そう?あのね、こんな事言っても私の事軽蔑しないでね、あのね、もっと私に触ってほしいの!」
「……え?」

少し間を空けてからレグルスの顔が赤くなる
それにハッと気づいたアゲハは慌てて補足した

「あ、あのっ…えっちな意味じゃないよ!頭撫でたり、もっと手繋いだりしてほしいのっ…だめ…かな?」
「……ううん、嬉しいよ、じゃあ、キスでもしようか」
「え!」
「…やだ?」
「えっと…いや、なんか…急に恥ずかしくなってきちゃった…」

少し汗ばんだ手から伝わる震え
アゲハが今震えてることが、レグルスには、すごく嬉しく感じた


「…じゃあ手繋ぎながら、帰ろう」
「う、うん!あ、そういえば私に言いたいことって?」
「…ああ、僕がいるのにあまり他の男のところに行くなってこと。心配しすぎて…なんか…すごい嫌な気持ちになる」
「…わかったわ、これから気をつけるね!」



手を強く握り直し、寄り添いながら帰り道を歩いた




もっとお互いのこと、素直に言い合おう

そうしたら、もやもやした気持ちが穏やかな優しい気持ちに変わる


二人は口には出さなかったけど、そう思っていた







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