別に誰でも良かった
僕の言うことに忠実な女(ひと)なら
だけど僕はあの時人選ミスをした
見た目の大人しさに反して
中身はとんでもなく面倒な子だった
気が短いのか、すぐ怒るし
田舎のおばさんみたいに口うるさいし
失礼なほど素直に自分の気持ちを言う
でも、自分が悪いと思った事は
素直に謝るし、感謝の言葉も述べる
こんな女(ひと)初めてだった
なかなか面白いでしょう?
一緒にいて飽きない
最初は彼女の落とし物をダシにして
僕の言うことを聞かせようとしたけど
清楚な石鹸の匂いに混じって香る
甘酸っぱいラズベリーのコロンの香りや
赤く潤んだ唇から出る
耳によく馴染むソプラノ
抱き締めたくなるような
柔らかいカールが付いたブロンド
そして
幼子のような無邪気な寝顔も
彼女の全てが、一緒にいて安らぐ
今じゃ、言うこと聞かせる。なんて事
微塵も思わなくなっていた
どうしてだろう?