今日はエイプリルフールです
私は国光に嘘を着くべく、数日前から綿密に計画を立てて、魔お…周くんと乾さんからとある知恵を頂いたのです
三人よればジュモンノチエ(文殊の知恵)なのです
いよいよ本番です!(ぶっつけ本番だけど…)

「国光、起きて…」
「…どうした花音?」

マカロンに腕枕、子猫達を胸に乗せてお昼寝をしていた国光を起こす
マカロン達は国光が起きたことに不服そうに小さく吠え、ソファーの隅で3匹仲良く丸まって再び眠りについた

そして私は涙目でお腹をさすりながら、周くんと乾さんの最大級の悪知恵を…


「あのね…私…わたし…」
「……?」
「私、赤ちゃん出来たの」
「な……そ、それは本当か!?」

ソファーから飛び上がり、目を見開いた国光に肩を掴まれる
よし、ここまでは思い通りだわ

「なんかね…生理が2ヶ月来てなくて…」
「何故もっと早く言わない」
「え…」
「母親に連絡しろ。俺も父に早く帰って来てくれるよう連絡する。お互いの両親にきちんと説明するんだ」
「くに…みつ?」

ちょっと待って…なんかヤバくない?

「出来たからには産んでもらいたいと思っている。今はまだ無理だが卒業後、お前と赤ん坊は俺が養う」
「え…あ、あの」

どうしよう
なんか話が変な方向に行ってるよ
早く嘘だって言わなきゃ

「く、国光!」
「どうしたんだ?気分でも悪くなったのか?」
「あの…今日……エイプリルフール…」
「…だからなんだ?」
「だから、赤ちゃん出来たの…嘘です」
「……」
「……」

数十秒、国光の視線に耐えれず目を逸らすと、国光は深いため息を吐きながらソファーに再び座った

「…花音」
「はい…」
「嘘を付いていいのは午前10時までだ」
「え…!!」
「今は何時だ?」
「…午後…3時18分です」
「そうだな」
「……」
「どうせ不二辺りから吹き込まれたんだろう」
「……」
「返事も出来ないようなら躾が必要だな…まだ夕飯まで時間がある。上に行くぞ」
「え!まだ明るいよ!周くん夜にならないとえっちな事しちゃだめって言ってたよ!」
「俺に嘘を付いておきながら、文句があるのか?」
「うっ…」

マカロンと子猫達をケージに入れ、俵担ぎをされてリビングを後にする

「子供を作るのはあと6年待っていろ」
「…ん?」
「それまではしっかりと避妊してやるからな」
「や、やっぱりちょっと待って!」
「聞こえん」
「嘘つき!聞こえてるじゃない」
「お前に嘘つき呼ばわりなどされる筋合い無い」
「うぅっ…」



エイプリルフールだからといって
無闇に嘘は付いてはいけないと云う事を高い授業料で学びました

周くんと乾さんからメール来てたけど、周くん達への事後報告は無しという事で…お願いしたいです