▽ 第1話 会長様の憂鬱
賢太「はい2分前ー、着席ー!!」
教室に響く、学級会長・中野賢太の声。
その声を聞き、もぞもぞと動き出す人達。
朝陽「座れー。」
学級副会長である、一ノ瀬朝陽も呼びかけを始める。
それに続き、書記・宮崎祐介も呼びかけをする。
美奈「座ってくださーい。」
そして、書記女子の遠藤美奈も呼びかけし始める。
が。
賢太「いつまで寝てんの?副会長さん。」
約一名、机に突っ伏し寝てる副会長が。
賢太が側に行き声をかけるが、起きない。
......賢太がニヤリと笑う。
そして、机の上に置いてあった筆箱を手に取り、寝ている月岡七海の頭に振り下ろした。
七海「いっっっっ!!!」
バコン、とあまりに良い音がしたため、クラス全員が七海の方を向いた。
賢太「お目覚めですか、副会長。」
七海「賢太...てめ...。」
ニコニコと笑う賢太、とそれを睨む七海。
2-Cではこれがもう日常なので、誰も気に留めない。
賢太「早く呼びかけしなよ。それとも何?副会長辞任したいの?」
七海「あー、今からする。座れー!!」
祐介「もうみんな座ってるけど!?」
その様子を眺めていた祐介がツッコむ。
美奈は笑っている。
これが、2-Cの朝の日常。
「会長ー!!理科宿題あったけ!?」
賢太「ありましたけど?」
質問に淡々と答える賢太。
優等生な彼にとって、これは日常。
勉強や今日の予定について質問されるコトが多々ある賢太。
そんな完璧主義な中野賢太にも予測不可能なコトはある。
美奈「なっかのぉぉぉ!!!」
ドスっ。
賢太の腰あたりに軽い衝撃。
美奈がいきなりぶつかってきたのだ。
賢太「なんなんですか。バカなの?あぁ、バカだったね。」
美奈「うんー、ひどいな。」
そう、賢太にも予測出来ない動きをする美奈。
美奈「あー、楽しかった。」
そう言って、廊下に出て行く。
何がしたかったのか、さっぱりわからない。
祐介「ケンちゃん!!遠藤が廊下で前回りやりだした!!」
賢太「...放っておけ。」
祐介「あ、月岡が蹴飛ばした。」
賢太「七海が正しいな。」
予測不可能な動きをする美奈。
そして、
朝陽「ケンちゃーん、コレとコレどっちが良い?」
朝陽が手に持っている雑誌には、巨乳の女性と余り胸の無い女性の写真。
朝陽もまた、会長を悩ませる人物である。
賢太「興味が無い。」
それだけ行って、理科室に向かう。
祐介も賢太について行く。
...唯一、賢太を悩ませない者。
それが宮崎祐介。
第1話 会長様の憂鬱
(...ほんと、このクラスは...。)
(ケンちゃん、ファイト!!)
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