８話の後
「どうして、僕の事なんて」
貴方に酷い事ばかり言っていたのに、いつも傍に居てくれた。
『貴方とコンビなんて組みたくなかった』
『貴方に頼るつもりはありません』
『僕は貴方を信じていません』
こんな言葉ばかり言う自分を見放しもせず、ずっと。
思えば、初めて会った時から気になっていた。
しかし、その心に気付かない振りをして、突き放そうとしていた。
それを受け入れてしまえば、自分は貴方の事が手放せなくなってしまうから。
大切な存在になってから失うのはもう嫌だった。
でも、どんなに冷たくしても貴方はどんどん僕の中に入ってくる。
両親を亡くしてから、すっぽりと空いた心の隙間を埋め尽くすかのように。
気付いて溢れ出す想いは、もう誰にも止められない
「さて、次おじさんに会ったら何て言おうか」
焦げた襷を眺めて思い出すと、自然と笑みが出た
ｅｎｄ
