Sweet Day


うっすらと意識が浮上すると、大好きなあの人の鼻歌が聞こえてきて、同時に良い匂いがしてきた
誘われるようにそちらへ向かうと、目が合った
「おはよう。悪い、起こしちまったか?」
「おはようございます…いえ、丁度目を覚ました所で…良い匂いがしたので起きてきました〜」
眠気眼に目を擦りながら挨拶をする
「もうすぐ出来るから顔洗って待ってろよ」
「は〜い」


Sweet Day


「わ〜日本の朝ごはんだ!」
顔を洗って戻ると、テーブルに並べられたメニューを見て僕は目を輝かせた
「前にミソスープだけ作ってやったろ?凄く喜んでたからまた作ってみたんだ」
「〜〜〜!!有難うございます!!」
歓喜余ってアントニオさんに抱きついた
「でも、他のは?」
並んでいるのは、ライスとミソスープ以外にも卵焼きや焼鮭など。僕の好きな和食が並んでいた
「虎徹のお袋さんに作り方教わったんだ。昔、遊びに行った時に食わせて貰ってな。美味かったもんだからイワンにも食わせてやりてえなあと」
「凄く、凄く嬉しいです!」
「わ、わかったから。冷める前に食おうぜ」
ぎゅう〜と抱きついていたら照れた様子のアントニオさん。可愛いです!

テーブルを囲み、向かい合わせで座る
「「いただきます」」
食事をするときの挨拶をし、食べ始める
「美味しいです!」
「それは良かった」
一品一品を味わって食べる。大好きな人の手料理が食べれるって幸せだなあ〜
あれ。でも今日って…
「デザートもあるからな」
「アントニオさん…」
「なんだ?」
「今日って特に記念日とかじゃないですよね?なのにこんな…僕の好きな物ばかり…まさか…」
「ま、まさか?」
ギクリとした様子のアントニオさんに思った事を言う
「別れたい…とかじゃないですよね?!昨日の夜だっていつも以上に求めてくれたし…」
「モウ!恥ずかしい事思い出すな!それに!別れたい訳でもない!」
「それじゃあなんですか…?」
今にも流れそうな涙を堪えて、尋ねる
「泣くなって…。仕方ない。もう出すか」
アントニオさんが冷蔵庫から何かを持ってくる
「?」
「これを見てもわからないか?」
出されたのは、綺麗にデコレーションされたチョコレートケーキ
「もしかして…バレンタイン?僕に?」
「他に居ないだろ」
感激でまた涙が出てきた
「変な事考えてすみませっ…うれ、し…です」
グズグズと泣きじゃくる僕にアントニオさんは優しく頭を撫でてくれた
「アントニオさん、大好きです…」
「俺もだよ」

切り分けたケーキを食べさせて貰い、とても甘い一日を過ごした


その日は、大好きな人と過ごす

スイートデー


【了】




――――――
僕ヒでペーパーに載せていたバレンタイン話です














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