23話


俺たちが築き上げた絆とは、


「なあ、そんな簡単に忘れちまうもんだったのか?!俺らが過ごした時間って!」


記憶操作されたぐらいで消えるようなもんだったのか?

思い出せよ…


「出会い方は最悪だったよなあ。いきなりお前とコンビ組まされてさ、そりゃ最初は腹が立ったよ」


本当に、最悪で。嫌だった


「くそ生意気な若造と何で俺が。って。けど一緒に、過ごすうちにお前の事段々わかっていって、気付いたら隣に居るのが当たり前になってた…」


毎日毎日。共に過ごすうちに段々と、お前の事


「俺たち、たっくさん笑ったりしたよな」


笑うのも哀しむのも、常に一緒で。


「止めろよ、そんな顔を俺に向けんなよ!思い出してくれよ…。俺とお前で最高のコンビだったじゃねえか!」


何で俺の事、そんな風に見るんだよ…

いつもみたいに俺の事見てくれよ…


「黙れ!二度とワイルドタイガーの名を汚すな!サマンサおばさんの敵…」


俺がお前の大切なサマンサさんを殺す訳無いじゃないか…

なあ、本当に


「これで終わりかよ…バニーちゃん…」


バーナビーとも、楓や皆ともお別れ、か…。


「…?」

「僕はバニーじゃありません」

「へ?」

「僕の名前はバーナビーです。…ん?」


もしかして、


「あれ、なんでこんな事…どうなっているんですか?一体」


元に、


「お前、戻ったのか?」

「え、何がですか。今おじさんが僕の事バニーちゃんて言うもんだから、何かカチンときて」


おじさん…とはまた懐かしいな…でも


「よっぽど嫌だったんだな、その呼び名」

「え、」


思い出してくれた事が凄く嬉しい


「あ…いててて」

「あ、」


痛みも忘れるほどに


「良かった、いや良かった〜」

「あの…、どうしたんですか?」

「俺が誰だかわかるんだよな?」


あんな偽者じゃなく、ずっと一緒に居た俺の事を。


「質問に質問で返すの、止めてもらえます?」

「ん〜」

「虎徹さん?」


こんなにも名前を呼ばれる事が嬉しいなんて、な


「〜〜!!うを〜ほっほ〜!」

「ちょっと!」

「あーそうかそうかー!」


思わず、嬉しくて涙が出てしまう


「泣いてるんですか?!」

「いや〜は〜は〜よしよしよし」


本当に、本当に、


「苦しいですって!」

「照れんなよ〜」

「やめてくださいよ!ぐしゃぐしゃじゃないですか、虎徹さん!」


俺の名前を呼んでくれて

俺の事、思い出してくれて


ありがとう、ありがとう、ありがとう


何度言っても足りないぐらい

誰よりも、お前に思い出して貰えた事が嬉しくて

抱き締めて、実感をする


「まったく、虎徹さんは」


優しい眼差しで見てくるバーナビー


(ああ、いつものバニーちゃんだ)


「本当に、良かった…」




この時俺は

また、二人で過ごせる日々が続くと、思っていた




END

















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