君ハ誰ノモノ?


平和な日
とても戦いの世とは思えないぐらいだ



〜君ハ誰ノモノ〜


戦いの日々が続いた数日
一段落つき、しばしの休息
良く晴れた日だ

真田忍隊の長、猿飛佐助は久しぶりの休日をどう過ごすか考えていた。


(買物に行って…あ、旦那に団子を買ってきてあげようかな)


下町に買物に行こうと決め、主に一言伝えに向かう。
部屋に向かうと溜まっていた書物を片付けている途中だった。

「旦那、俺様ちょっと町に買物行ってくるね」
「買物?ならば俺も行こう」
「え?」

まさかの返答。
途中の書物がある時は行くなんて言わない。
いつもの真田なら「団子も頼む!」と言って残りの書物を片付け、佐助が帰る頃
には団子を食べれるようにしているのだ。

「何だ、俺が共に行くのが不満か?」
「いや、いつもなら書物残ってる時は一緒に行くなんて言わないから…」
「残っていると言っても急ぎでは無い、後少しだ。たまにはよかろう」
「旦那が良いなら構わないけどさ」
「すぐ支度するから待っていてくれ」

真田の支度を待つ間、今晩の献立を考える。
戦いが無い時は佐助が献立を考えて女中さんと作る。

(本来、忍は影の者なんだけどなあ)

真田忍隊は他の所とは違い、影の仕事は勿論の事、表の仕事もやる。
仕事量オーバーでは?と良く言われるが、そんな事も無い。
無理はするなと主に言われている。
普段は比較的楽な仕事ばかりなので、戦が無い時は休みが多い。
割と忍隊の者には評判が良いのだ。
ただ、佐助に関しては他の者と違い常に働いている。
ように見える。
実際、普段の仕事以外は幸村の事に関してだけだ。
良く「忍使いの荒いこって」とは言うが、本人は結構楽しんでやっている。
恐らく冗談で言っているのだろう。


「佐助、待たせてすまんな」
「ううん。じゃあ行こうか」


家の者に出掛けると伝え、二人は下町に向かった。


To be continued.












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