狐の嫁入り


「…年後も貴方が私を覚えていてくれたら…私を貴方のお嫁さんにしてくれますか…?」


〜Prologue〜


ピピピ

「う〜ん」

ピピピピ

「ん〜…」

ピピピピピピピピ

ガバッ

勢いよく起きた幸村は枕元にあった目覚ましを止めた。
「はて…何か大切な約束をした夢を見たような…」

思い出せず、考えていると下から声がする。

「幸ー起きないと遅刻するわよー」
「やば…!」

母親に呼ばれ、起きてから少しの間考え込んでいた事に気付く。
再度呼ばれ、軽く返事をし身支度をする。
勢いよく階段を下りリビングへ向かう。

「あんたが寝坊するなんて珍しいわね」
「ちょっと考え事してて…」

いつもの定一に着き、用意されている朝ご飯を急いで食べる。

「幸村、今日も帰りが遅いのか?」

新聞を読んでいた父親が突然話かけてきた。

「今日は親方様が急用で部活は休みだから早いと思うけど」

部活の顧問、武田信玄が急用で休むと言ったのは昨日。
幸村は急な休みでどうしようかと考えていた。

「大事な話があるから学校が終わったらすぐに帰ってきなさい」
「大事な話って?」
「帰って来たら話す」

いつもどこか、おちゃらけている父が真剣なようだ。

今日、何かが起きそうな気がする。


To be continued.












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