色褪せた世界


お前が居ない世界はとても色褪せていて生きているのが苦になる時がある


それでも生きているのは、この世の為か。自分の為か。それともお前の為なのか。


最後に聞いた言葉を胸に秘め、今も直、生き続けている


『…また、…会える日が来るから……』


「佐助…もうすぐ、お前に会えるだろうか…」


戦が起こる度に思い出しては、その言葉を放つ


「幸村様、そろそろ出陣の時間です」
「わかった」


深紅の布を額に縛り、陣地から出る


「真田幸村。いざ、参る!」




いつか会える、その日まで

色褪せた世界を今日もまた生き続ける


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