心配されるストーカー

さっきのはなんだったんだろう。

今まで何か月も黛先輩の追っかけ(という名のストーカー)をしてきたけど、目が合う事なんて数日前のマジバが初めてだったくらいなのに。
あの時はまぁ私が注目されることをしてしまったから当然と言えば当然の出来事だったけど、今のは、違うよね?

「また考え事か」

練習試合の後であれ、レギュラー陣の皆様はストイックに自主練をなさるようなので私もそれのサポートに回る。
選手のサポートというか、主に樋口先輩のサポートだけど。

「考え事というか日課というか!」
「嘘を吐くな。そういう顔じゃなかっただろう」

ごまかそうとしてみたけど、赤司くんには無駄でした。
でもだからと言って赤司くんに話す事でもないしなぁ。

「お前もこの洛山バスケ部の一員だ。何かあるなら話せ」
「なんもないよ、ほんまに!」

さすが主将というか、そういうケアとかもしてるんやなぁ赤司くん。
ちょっと意外だったからびっくりしたけど丁重にお断りさせて頂こう。

だって、どうせ勘違いだって言われるのわかっとるし。

「…玲央の方が話しやすいなら玲央に話せばいい。だが、お前はわかりやすいからいつまでもそんな調子でいるなら無理やりにでも吐かせるぞ」

意外と大きい掌で頭を鷲掴みにされ、赤司くんの指の隙間から見えた彼の顔はまさに魔王様でした。



(レオ姉、なまえ大丈夫かなぁ)
(まぁ征ちゃんがなんとかしてくれるでしょ)
(…だよな。オレらより赤司の方が話しやすいよな)
(あんたまで落ち込んでどうするのよ…)

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