心を殺すなら××も(一松)
!軽くですが性的行為を連想させる言葉があります
!またまた没ネタ


夕暮れのことだったと思う。六つ子が寝ている寝室で押し倒された私は呆然と窓から見える茜色の空を見ていた。私の上でハアハアと腰を振るボサボサ頭の男に私は何も感情を持ち合わせてはいなかった。

気持ちいいとか、痛いとか、抵抗も何もなく、上擦った声だけが私の喉からは零れる。一松も何も言わず、ただ腰を突きつけていた。

赤い空がどこまでも遠くて、喉から出る声とは裏腹にぼんやりとその空の行方を探す。ガツッと押し込まれたところが気持ちよくて一等大きな声を出せば、一松もそこを集中して攻めてそして小さな吐息を漏らして果てた。

「…何見てたの」
「…空」
「なんかあった?」
「別に何も」
「怒ってないの?」
「怒ってないよ」
どろりと股からこぼれた白い液体と重い身体だけ不愉快だ。
「変なの。幼なじみに犯されたのに」
「今日はいい天気だったから」
「頭おかしいの?」
「かもしんない」
散々社会に出てからあれやこれやと人に押し付けられて、もう息苦しさをしか感じなかったんだ。

「このまま一松が私を身体ごと殺してくれれば良かったのに」

心が死んでも身体が死んでくれない。