IF十四松
!妹に嵌まる6つ子の話の十四松のIF話です。
!アンケや拍手にたくさんコメント頂きました。
本当に有難う御座います。
妹が構成されてる環境はとても暗い。
誰が悪いんだろ?誰が悪いとか犯人探ししても何にもならないよね。
なんでこうなった?そんなのわからない。
考えても考えても答えなんか出なくて、そっとめんどくさいことには蓋をした。
ただ俺がなまえのこと好きなのは本当で、
守らなきゃいけないのは妹だからとかじゃなくて個人としての気持ち。
「ねえなまえ」
「なーに十四松兄さん」
なまえの匂いでいっぱいのベッドの中、ぎゅうと抱きしめられるほど近くにいる妹はうとうとしながらにこっと笑った。花とか全然詳しくないけどなんか春に見た桜みたいだと思った。
「一緒に来てくれる?」
「場所にも寄るけど…何処に行きたいの?」
寝ぼけ目でとろんとする顔はずっと甘い。閉じかける目蓋に思わずキスをすればもっと嬉しそうに笑った。
「すっげー遠く!兄さんたちとかトド松がいないところ」
山より海が近いといいなぁ。なまえと二人っきりで過ごせるなら何処でもいいけど。きらきらした目が落ちるんじゃないかって位見開かれて、すぐに細められた。なんでそんなに悲しい顔をするの。
「すっごい良い案…十四松兄さんとならどこへでも行けそう」
「でしょ。なまえは海と山どっちが好き?」
「私は海かなぁ。夏は遊べるし」
「俺も思った!凄くない!?俺ら考えてること一緒!」
「ふふ、そうだね!」
ぎゅうっと強く抱きしめればなまえも俺の胸に頭を預けて目を瞑る。ドキドキしてるのばれるじゃん!はずかしー!あ、でもなまえもドキドキしててなんか凄い気分がいいかもしれない。
「私十四松兄さんのことだーい好き」
「俺もなまえのこと大好き!」
ねぇ同じこと考えててさ、同じ気持ちなのになんでさっきから悲しそうな顔するの。なんで大好きって言うと辛い顔をするの。俺わかんないよ。馬鹿だから、言ってくれないとわかんない。
悲しい顔をしたなまえが胸に顔をうずめて少しして目元を赤くしながら言ってきた。
「…ねぇ、じゃあ私だけのこと一生愛してくれる?」
なんてお誘い。
全然知らないけどさ、甘いお誘いってこういうことだよね。経験者は口を揃えて言う、あの甘い誘いに乗らなければって。
でも俺は知らない。
だから言える。
おそ松兄さんみたいに大人じゃないし、カラ松兄さんみたいに頭良くないし、チョロ松兄さんみたいに常識なんて知らないし、一松兄さんみたいにびびりじゃない、トド松みたいに要領よくないから。そういう面倒くさいの全部蓋をするから。
「なまえだけだよ!なまえだけを一生愛せるって誓えるから、だからなまえも俺だけのものになって」
って言った。
「十四松兄さんだけのもの?」
「ちゅーするのもえっちするのも、好きって言われるのも全部俺だけ!駄目?」
少し考えるような顔をしてなまえがね、まっすぐ俺の目を見た。
「じゃあ十四松兄さんが私を攫ってくれるの?たぶんね、おそ松兄さんもカラ松兄さんもチョロ松兄さんも一松兄さんもトド松兄さんも、みーんな私を逃がさないって追いかけてくるよ。それでも私を連れて逃げてくれるの?」
あ、そっか。みんな俺と一緒だ、それなのに1人だけ逃がしてもらえる分けない。でも、俺本当になまえが好きだから。
「俺、なまえのこと好きだから!そういうのは気にしないでなまえがどうしたいか聞きたい」
凄い緊張した。なまえとえっちするときよりドキドキする。じっと見つめられた目が悩んでるのは明らかだった。
「私は…っ」
ごくっと喉が動いた。口の中はカラカラで生きてる心地なんてない。
「十四松兄さんのこと好き…」
だから一緒に連れてって、ぼろぼろと大きな目から涙を流すなまえの顔は俺に少し似てて、やっぱり兄妹だなって今更思った。
「任せて、俺超足早いから」
「うん…!大好きだよ十四松兄さん」
同じ言葉なのに、今までで一番嬉しかった。