beniiro tear | ナノ


▼ Water Lilly / スイレン : 甘美 1/2 ☆




慌ただしく玄関に入るなり、靴も脱がずに銀時に唇を奪われた。壁と銀時の胸に挟まれ、よもや抵抗する気もない私は、その荒々しく柔らかい唇を受け入れる。角度を変えて、私の唇に吸いついたかと思えば、熱くねっとりとした舌が口内で暴れる。


「…ん、っ…は、ぁ」


思わず漏れる艶めかしい吐息に、漏らした私自身が赤面する。アルコールの力も手伝ってか、はたまた相手が彼だからなのか、私に触れる全てから熱を感じる。


「…寝室、どっち」


やっと離した口から、少しの余裕もない銀時の低い声が響く。私が指をさすと、銀時はその手を取り寝室へと進んだ。

銀時は寝室の戸を引き、綺麗に畳まれた布団に私を押し倒す。顎を掴まれて、また唇に吸いついた。


「…ちょ、万事屋さ…布団っ…」

「っせェ」


必死に顔を背けて布団を敷くよう促すも、銀時は聞く耳を持たずにまた顎に力を入れて、背けた顔を固定する。薄暗い寝室を照らすのは、窓から漏れる月明かりだけ。照らされた銀時の瞳はさながら獣のよう。その漆黒の瞳に見つめられた私は、思わず息を飲む。


「今更、酔っ払ってた、なんて言い訳通用しねェからな。あとで文句言うなよ」


私の言葉を待たずに、また唇を重ねる。裾に伸びた手が、直接太腿に触れた瞬間、私の身体は大袈裟に反応する。そんな私に目を細めて、また口内を貪る。
歯列を舐めあげ、ねっとりと私の舌を追いかけて、また吸い付く。ゆっくりと離れた唇からは銀の糸が繋がり、すぐに途切れた。アルコールを言い訳に、何も言葉を発せず銀時の瞳を虚ろに見つめる。


「…なんつー顔してんだ」


銀時は小さな声でそんなことを言ったような気がする。はだけた胸元にひんやりとした指先が触れたせいで、よく聞き取れない。帯を乱暴に剥ぎ取って、露わになった膨らみに、一つキスを落とした。そんな他愛のない動作にさえ、火照った身体はピクリと反応してしまう。何も感じ取れない無の表情で、膨らみを包み込むように揉まれて、思わず声が漏れる。


「んっ、…ぁ」


吐息に似た喘ぎに物足りなさを感じたのか、銀時はグッと膨らみを掴む手のひらに力を入れて、焦らすことなく頂きの蕾を口に含んだ。突然の刺激に私は声を押さえることもできずに弓なりに痙攣する。


「ああっ、やぁっ…あっ」

「お前、感度よすぎねェ?」


空いた手でもう片方の膨らみを揉みしだきながら、銀時は呆れたように笑った。頂きの蕾に吸い付き、舌先でチロチロと舐める。まるでキャンディーでも口に含んでいるように翫味するその動きに、私は押し寄せる波に抗うように、身体を捻らせる。


「あ、ダメ、…あっ、ダメッ…んぁぁあっ」


温かい舌に執拗に敏感な頂きを攻められて、私は軽く絶頂を迎えた。息を整えるまもなく、裾を捲し上げて、両膝を掴んで開脚させられる。恥ずかしさに思わず顔を覆うも、銀時は気にする様子もない。


「濡れてんの?」

「…言わないでくださ…っ」

「濡れてんのかって、聞いてんだけど」


この後に及んで、何でそんなこと聞くんだろう。恥ずかしさに勝てずに、私は横に振る。そんな抵抗をしたところで、無駄なことなど分かっているのに。

「あっそぉ」と下着の中に指を滑らせ、言わずもがな、濡れそぼったそこに冷たい指を這わす。「あっ、」と声が漏れるのを、今更必死に抑える。


「随分、見え見えの嘘つくんだな」


ニヤリと白い歯を見せて笑う銀時に、私は慄く。これから与えられるであろう快感に、無意識に身体が震え出す。無造作に下着を引っぺがされて、濡れたそこを掠める空気が冷たい。両膝を肩に担いで、濡れた入り口を冷たい指先で撫でるように弄ぶ。


「っは、ぁ…ぁあっ、!」


慣らすことなく突き立てられた指は、すんなりと奥に滑り込む。私は自身の指を噛み、その刺激に耐えようと眉を顰める。ゆるゆると中で遊ぶ指が壁に触れるたび、私は嬌声を上げてしまう。
親指で一番敏感な蕾を押されると、また張り詰めていた糸が切れそうになる。溢れた蜜が潤滑油になって、親指の動きを滑らかにさせる。


「あっ、やぁっ…嫌、それ、やだぁ…」

「嫌?…いいの間違いだろ?こんなに感じてるくせによ」


意地の悪い言葉に、私の意識はどんどん波に攫われる。入れられた指が、ある場所を執拗に撫でる。悦の涙を溢しながら、いやいやと首を振ると、銀時はふっ、と息を漏らす。銀時の舌が蕾に吸いついたところで、二度目の絶頂を迎えた。





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