Dolce | ナノ


▼ 致命的Desire ☆ / 坂田銀時 / さや様request


※浮気表現が含まれるため苦手な方は注意してください。

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全身から何もかもが溶けだしそうになる程に、暑い。それでも俺は極楽にいるような気分で荒く呼吸を繰り返していた。


「…あっ、いいッ…!もっと、もっと…、あぁ…っ!」


まだ昼にもなっていないこんな時間から、ソファに座る俺に跨って狂ったように喘ぎ乱れる裸の女。その女に自身の硬くそそり立ったそれを下から突き上げるたび、遠慮の知らないその声が高く響き渡ると共に、俺の中の滾る欲が湧き上がっていく感覚に襲われた。


「あっ、…あぁっ!…イク、…っお願い、もっと、もっと…突いてっ…!」

「…待っ、俺も出そーだから、…っ、…く、」

「あっ、…あっ!イク、イク…は、あっ、あぁあああっ………!!」


むっちりと色っぽい腰を掴んでガツガツとこちらも遠慮なくその「極楽」を突き上げれば、一際高い声を上げビクビクと痙攣する身体に伴って、中がぎゅうっと伸縮を始めた。促されるまま奥を突き上げて自身の欲を放出させた。はぁ、はぁ、と互いに息を整えながらも、俺は少しも休ませる気は無い。向かい合うように俺に跨っていた女をそのまま抱え上げ、中にぶちまけた欲の液体をこぼさないように繋がったまま寝室へと移動した。

ふと目に入った写真立て。そこに映るは幸せそうに笑う俺と、彼女。俺に抱え上げられて荒く呼吸をする女とは別の、俺の彼女だ。…なまえと付き合い出してから俺はずっとなまえだけを見てきたし、きっと彼女もそうだったと思う。だが、ある日依頼に来たこの女の色仕掛けにまんまとはまり、密かに身体だけの関係を続けて来た。この女がそれを望むから、と都合のいい言い訳をして俺はなまえに気づかれていないのをいいことに惰性の日々を送っている。


「…あら、何よ。ぼうっとしちゃって」

「あ?…いや何でもねーよ」

「また彼女のこと考えてたんでしょう?ひどい男ね」

「俺にだって少なからず良心っつーもんがあんのォ」

「…その良心は私には向かないのかしら?フフ、まぁいいわ。ねぇ、次はあなたが下になって」


布団に仰向けで寝そべれば、女は豊満な膨らみをこれでもかと見せつけながら、俺の上に跨ってゆっくりと腰を前後に動かし出す。差し込まれた肉棒を中で擦られれば結合部はぐちゅぐちゅといやらしい音を鳴らした。その動きが絶妙に俺の性感帯を擦り上げて、俺は情けなくも漏れる声を抑えられない。


「…ぅ、あ…っ、これ、マジで…やべェ…」

「んっ、…声、我慢しないで、いいのよ…、もっと、あなたの…あっ、…もっと感じている顔が見たいの…」

「あ、…く、はッ、あぁ…っ」


何でこんなにもこの女にハマっちまったのか、抱いてみりゃ一目瞭然だ。俺の息子のために作られたんじゃねーかってほど、俺が感じる場所を形状に合わせて吸い上げてくる。こんな身体、今まで抱いたことがない。喘ぎ声が漏れてしまうほど、とろけそうなほどに気持ちがいい。と、女が自身の指に自身の唾液を絡ませて、その指を俺の胸元へと這わした。唾液で濡れた指で俺の乳首をこりこりと撫で出せば、いよいよ声を抑止することができない。


「あ、ぅあぁ…ッ!」

「あなたの彼女、…っこんなことしてくれないでしょ?男の人も感じるのよ、ここって。そうでしょ?…っ」

「は、ぁあ……、わりぃ、も、無理だ…もっと動いて、もっと奥、擦って…っ、」

「…もう、…んっ!あぁ…っ!」


堪えきれず女の腰を掴み自身で壁の最奥にそれを擦り付ければ、また性懲りも無く湧き上がる欲に抗えない。女の悦ぶ場所を執拗に突き、またも高い声を上げて震える女の中に勢いよく欲を放った。その腰を掴んだまま起き上がり、そのまま女を押し倒せばまた緩やかに腰を打ち付け出す俺にその女は困ったように笑った。


「…あなたって、本当絶倫ね…っ、すぐイっちゃうけど」

「すぐ出る分、回数はできんだよ…っ、あと一回だけ出させて、…な?」

「しょうがない人ね、…じゃあ、うんと激しくして…?」


その言葉を皮切りにゆるゆると出し入れしていたそれを思い切り打ち付ければ、結合部からは先ほど放出した白濁色の液体が溢れ出す。この女の言うように、一回の持続性はてんでダメだがその分休むことなく二回戦、三回戦と回数を重ねることができる。まぁそれは他でもない、この女の身体だからだ。気がおかしくなりそうなほどの快感。何度身体を重ねても飽きることのない、高い依存性のあるこの身体に俺はまんまと溺れちまってる。

なまえのことが嫌いとか、飽きているとかそういうんじゃねェ。ただ単に俺の身体がこの女の身体を欲してしまう。ただその欲に従順になっているだけ。この女が欲しいとか、自分のものにしてェとかそういったことは少しも思わない。きっとこの女もそんなこと望んじゃいない。何より、俺はなまえのことを心から愛している。それは事実なのだから。


「あぁんっ!…もっと突いて、お願いっ…!あっ、そう、…んっ!あっ、あぁっ…」

「…でも、やめらねェんだ……ッ」

「あっ!あぁ…ダメ、イッちゃう、あ、あぁっ!あ…っ!!!」


腰を打ち付けるたびに湿り気を帯びた音が室内に響き渡る。達した女の中が最後の一雫まで搾り取るかの如く、俺を締め付ければそれに従うように奥にまた欲を放出させた。汗だくの身体で荒く呼吸をする俺は繋がったそこを引き抜くことなく、女の上に倒れ込んだ。


「…やっぱりあなたとするのが一番気持ちいいわ」

「あ、そう?そりゃ光栄だ」

「獣みたいだもの、心まで食べられちゃいそうになる」

「なーに言ってんの、俺以外にもこーいうことするやつ沢山いるくせによォ」

「フフ、可愛い彼女がいるあなたに言われたくないわ」


そう言って俺の頬に手を添えて、厚く柔らかい唇を俺の唇に重ねてくる。割り込まれた熱い舌に応えるようにねっとりと自身の舌を絡めて、最後まで情事の余韻を堪能し合った。



「じゃ、また連絡するわね」

「おー、気ィつけろよ」

「彼女と仲良くね」

「はっ、どの口が言うんだよ」


フフ、と微笑んで万事屋を後にする女の後ろ姿を見送れば、俺は後頭部を掻きながら寝室へと戻りあちこちに投げ捨てられたティッシュのゴミをまとめて台所のゴミ箱に投げ入れた。窓を開けて部屋を換気して、ぐっしょりと濡れた跡のあるソファを濡れ布巾で拭き取ったとき、玄関の戸を叩く音が聞こえた。濡れ布巾を台所のシンクに投げて、玄関へと向かった。


「おはよー銀ちゃん!」

「なまえ」

「あれっ、寝起き?」

「今さっき起きたとこ。…入れよ」

「うん!」


戸を開けた先にいた満面の笑みのなまえに、こちらもつられて笑顔を浮かべた。さらさらと長い髪を撫でながら部屋に入るよう促せば、またなまえは嬉しそうにはにかんでいる。居間に入りソファに腰を下ろすなまえの横に並んで座って、唇を尖らせなまえをジト目で睨みつけた。


「お前仕事入れすぎじゃねェ?銀さんすんげー寂しかったんですけど」

「銀ちゃんがぐーたらなだけで、他の人はこれくらい仕事してるよーだ」

「ウチは自由業なの、規則にしばられない社風なんですぅー」

「はいはい」

「…なまえ、おいで」


ポンポンと膝の上を叩けば少しだけ恥ずかしそうに目を伏せて、すぐに俺の膝の上にちょこんと背を向け座るなまえが可愛いのなんのって。「逆だろ?」と耳元で囁けば「もうっ!」とまた恥ずかしそうに顔を染めながら俺に向かい合うように座り直した。


「なまえは?寂しくなかったの?」

「…別に、寂しくなんか…」

「ホントかよ?俺なんか寂しくて寂しくて、浮気しちまおーかと…」

「ダメ!絶対ダメ!!」


眉を下げて懇願するような表情を向けてくるなまえに、無意識に笑みがこぼれた。本当のことを知ったら、お前は泣くかな。銀ちゃんのバカ、最低!って俺を罵るかな。…何度も考えた。なまえの悲しむ顔を見るくらいなら、いっそ別れちまった方がいいんじゃねェか。何もかもを知る前に、なまえの前からいなくなった方がいいんじゃねェか。そう、思っているのに。


「銀ちゃん、…好き」


わかりきったそんな告白すらも頬を染めながらしか言えねェほどピュアで心の綺麗ななまえと、異常なほどに快感に貪欲で男の身体を貪り尽くす悪魔のようなあの女。そのどちらかを選ばなきゃいけないなんて。


「…ん、俺も」


なまえの胸元を弄り出せば「もう、まだこんな時間なのに」と全く抵抗する気のないなまえににっと笑みを向けて、その唇を奪った。きっとまだ口内に残っているであろうあの女の唾液を移すように、なまえの口内に舌を這わせた。


俺にゃ選ぶことはできねェ。
両方欲しい、それじゃ答えになんねェか?…なんてな。



-end-


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さや様!今回はリクエストありがとうございました!

わふわふーとした設定で執筆してしまったのですが、お気に召していただけましたでしょうかo(>_<)o
ちなみに勝手にですが浮気相手は蓮蓬篇のフミ子さんのような女性をイメージして執筆させていただきました。妖艶で掴み所ないような女性のイメージでした。

ちなみに私は浮気は絶対に許さない派です(T . T)例え銀ちゃんであっても…(笑)

今回は具体的かつ面白いストーリーのリクエストありがとうございました♪また機会があればお願いいたします!


4/24 reina.


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