other | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -


指でつくったハート型


今日も僕は君を愛す。
「...大好きっ」

ああー今日も、かっこいいなあ。
いつものようにサッカーしてる姿を目で追う。
たまたま今日は、体育が1、2組合同だったから見れたわけで。
...ずっと見てたいいい。。
シュートが入らなかったり、それで悔しがってたり、友達とハイタッチしてる湊くんも、、かっこいい。

いや今のは妬いた。ずるいや。
せっかく恋人が見てるのに、なにか一言とかないのかなあ。

かっこいい姿見とけよ、とか愛してる!とか。
あああ!!早く湊くんと会って話したい!
なんでまだ午前中かなー。早く時間よっすぎろ!

あ、今こっち見た。
???

口が動いてる。
み、と...け?

?みとけ...?

見とけってことか!!

言われなくても湊くんのことはずっと見てますよーだっ。しぶしぶというよりか、さっきよりももっと湊くんの走る姿を目で追う。

あっボール湊くんに来た。

その瞬間、わあああっと歓声があがる。

わっ!ゴール入れちゃった!!逆転で1組の勝ちじゃん!
みとけって、湊くんがゴール入れるからってこと...?

その瞬間にぼんっと顔が赤くなるのがわかった。
うっわ、恥ずかしい。

すると、試合が終わったからか湊くんたちがこっちに向かって来る。

「...惚れ直した?」
にやりと笑う港くんに目が離せなくて、愛をぶつけてしまう。
「うんっ!やばい、かっこよかった!誰よりも!!」
「まじ?俺もシュート入るか分かんなかったから、入ってよかった、渉がいたからかも」

にこにこ笑顔で嬉しすぎる言葉。うわあああっかっこよすぎじゃん。なにそれ。
僕がいたからであって欲しい、けど。
それを言うのはさずがの湊くんにでも恥ずかしい。

「っっそんなわけ、、湊くんの実力だよ!」
「嬉しいよ、ありがと」

そう言って、僕の手を引く。
??どこ行くの?

「ふっどこ行くのって顔してる...渉今から授業サボっちゃおっか」
「えっえっ」
「...嬉しそうだから、肯定とみなします!」

るんるん僕の手を引いて校門を出る。
えっえっサボる?湊くんと二人で?
嬉しい嬉しい、けど心の準備がまだ出来てないんですけどおおおおお!!?


「うーん、まずどこ行きたい?」
「湊くんの好きなとこっ」
「じゃあ!服、見にく?」
「うんっ!」

浮かれ気分で近くのショッピングモールに来たは良いけど、、お金持ってないじゃん。
...まあ湊くんと来たんだし、いっぱい見て帰ろう!
流れていく人の波に沿って、店内を見渡す。

あっあれとか湊くんが着たらかっこいいかも。

「行きたい店ある?渉」
「んーあの服、湊くんに似合いそうだなーって...ちょっと思っただけ、」

「じゃ行こっか」
うずうずしてるのが分かったらしく、手を引いてお店へ連れて行ってくれる。
外装からもうかっこよくて。なんかこの雰囲気、湊くんそっくり。

「これ!...絶対似合うと思う!」
「あんま着ない感じ...でも試着しようかな」
「わかった、着たら呼んで」

その服は夏っぽい淡い青のジャケットに白いシャツ、紺のパンツですっごい爽やか。
爽やかな湊くんには絶対似合う!顔もかっこいいし、スタイルもいいからぴったりだよね。やっぱり。
他にないかなーと思って探していたら、店員さんからご試着できたようです、と声が掛かる。

わくわくで見に行ったら、ちょっと気恥ずかしそうに、似合うかな..?なんて湊くんが言うから。

「やばい、めっちゃかっこいい」
「そう...?」
「うんっ、、ぜひ買って貰いたいけど...湊くんお金持ってきたの?」

お金のことをこそこそ話で、小さな声で尋ねる。

「あ」

やっぱり忘れてたのかな。...可愛い。
「じゃあ、また今度だね」
ふふっと笑う。湊くんはかなり恥ずかしそう。

「...すいません。また今度にします、」
ぺことしてからまたカーテンをシャッと閉めた湊くん。

出てきたら、違うとこに行こう。
...またここ来たいなあ。あの服、プレゼントしようかなー。でもさすがに一式は高いっ!!
学生に全然優しくないっ!

サラッと出てきた湊くんを捕まえて、そそくさとお店を出る。

「...サイフ持ってきてないよな?」
「うん、だって湊くんが学校サボろって来たじゃん」
「俺、馬鹿だなあ」
「うん、でも可愛い!」
「やめて、悲しくなるよ、渉くん」


結局お金がない僕たちは行く宛もなく、かといって家には帰れないから、近くの公園にたどり着いた。
めっちゃ久しぶりなんだけどこの公園。
懐かしいー!
てかさ公園で二人きりって...声がすぐ届くから恥ずかしい。

「来たことある?この公園」
「うんっ、小さい頃高校で離れちゃった幼なじみと遊んでたんだー」
「男?女?」
「男の子、めっちゃガキ大将みたいな子」
「ちょっと妬けるな」
「僕も」

??って頭に浮かべてる湊くん。
ハイタッチの時だよ。だから僕も。
ベンチに座って空を眺める。青い果てしない空。

「ううん、何でもない」
「?うん、」
「でも、僕はずっーと湊くんのこと好きだよ、この空みたいに...果てしないでしょ?」

不意打ちで伝えてみる。
ほんとに大好き。
ふふっと笑ってみると、湊くんも笑った。

「じゃあ俺は海ぐらい渉のこと好きかな...深い海の底まで」

僕に微笑んだ湊くんが、だんだんオレンジ色になってく、空と合ってる。
嬉しくて我慢できなくて、湊くんを抱きしめる。

「、渉可愛い」
「...やめて恥ずかしい」

そう言って、湊くんは、
空よりも海よりも砂糖よりも甘いキスをした。


fin.


***


ラブラブなカップルということでこれ以上ないくらいに甘々にさせてもらいました!好きっていうオーラが伝わる人って可愛いですよね。
気に入ってもらえると嬉しいです。
mocaさま、リクエストありがとうございました!


back