授業が終わっていつも行くのは、学校の裏山
嬉しい時、悲しい時、イライラする時、休みたい時、とにかくどんな時でもこの裏山に向かう
その理由は、ここに来ると必ず彼がいるから
彼とは千歳千里のことである
彼と会ったのは、3ヶ月前
部活で思ったような成果が出せず、どうしようも出来ないイライラをぶつけるために1人で裏山に行って思いっきり叫んでやった
「馬鹿野郎っ!!!」
誰にでもない、自分自身に向けて暴言の数々を並べていると、後ろにあった木の裏から、巨大な影が現れた
恐怖のあまり身動きが取れずにいると、その影はゆっくりと近づいてきた
「ずいぶん叫んどったいね」
その影の正体こそが千歳であった
「あ、あたし…」
「別に我慢するこた無かよ 声出したい時は、自分に素直ななれば良かよ」
それから、あたしは千歳の言う通り、何かあったら裏山に行き、素直に気持ちを吐き出した
今はそれが千歳と話すことによって行われているだけである
「今日な、かなちゃんとよしきくん付き合うことになったんや」
「あー、前言ってた子たちのこつ?」
「そうそう 2人共大好きな友達やから、自分のことのように嬉しいわ」
「名字が嬉しかこつは俺も嬉しか」
千歳はいつもこんな風にあたしを喜ばせることを言ってくれる
「名字も好きな人は居ると?」
「え」
今日は恋愛の話をしてしまったので、こういう話の流れになってしまっても仕方ないが、好きな人本人に突然聞かれても言葉に詰まってしまうのも仕方ないだろう
「そ、そういう千歳はどうなん?」
「俺? 居るよ」
ズキンと、胸が痛む
やはりあたしの片思いだったのか
泣き出したい気持ちを必死に押し殺すために下を向く
「そいつはな、自分に素直でいつも俺にいろんな話してくれっと」
「え」
「自分に素直だから、すぐ顔に出るから分かりやすかね」
思わず顔を上げると、優しく微笑む千歳がいた
「俺の好きな奴は名字ばい」
「あたしも千歳が好きやねん!」
「分かっとったよ ちょっと名字ば苛めたくなったけん 悪かね」
ちょっと意地悪なとこもあるけど、あたしは千歳が大好きです
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純愛…って考えてたら、この話を思い付きました
千歳と裏山でほのぼの恋愛したいなという妄想が9割を占めてます(笑)
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