好き。好き好き好き。
好きが溢れて抑えられない。
ぶつけて良い?迷惑じゃない?
ああでも、迷惑って言われても抑えられないからさ、先に言っておく。ごめんね?


「…どいてくれない、名字。」
「じゃあ連絡先交換して。」
「無理。今忙しい。」
「暇になったら交換してくれる?」
「……しつこい。」


しつこい、だって。
でもしつこくいかないとすぐ忘れちゃうでしょ?
少しでも長くあなたの記憶に入っていたいの。私のことを覚えてほしいの。


「ねえ、なんで俺に構うの?」
「……言って良いの?」
「あ、良い。言うな。」


遠慮しないでよ。
そんなの好きだからに決まってるじゃん。
好きだから話したいし隣を歩きたい。連絡先だって、会えないときにもコミュニケーションとりたいから。
ストーカーみたいとか言わないで。自覚済み。
でも恋する女の子なんてみんなそうでしょ?
好きな人のことだったらなんでも知りたいんだよ。


「好き。」
「…なんで言うかな。」
「好きだから。」
「だから言うな。」
「やだ、好き。」
「ねえ「好きなの…!」…泣くなよ。」


しょうがないじゃん。
好きなんだって、どうしようもなく好きなの。抑えられるわけないでしょ。
泣いてる私を呆れたように見て軽く頭を撫でてくれた。
木更津君が触れたところからじわじわと熱が伝わってきて顔が熱くなる。


「…え、なに。なんで今さら赤くなってんの。」
「違う、気にしないで。」


ちょっと今恥ずかしいから見ないで。
自分でも今さらって思ってる。
なに今さら赤くなってんの私。意味わかんない。


「あー、…ちょっと黙ってて。」
「え?」


あれ、今どうなってるの?
急に近づいてきて、背中さすられて、良い匂いして、今度は身体中熱くなって……え?
私、木更津君に抱きしめられてる?
うそでしょ、あの木更津君が?ありえない。
混乱する頭じゃなにも考えられない。
でも口から出てくるのはあの一言。


「好き…。」
「…黙ってろって言ってんじゃん。」


言葉とは裏腹に木更津君の腕の力は強くなる。
そして爆弾1つ投下。


「好きが抑えられなくなる…。」


今の言葉は、私が言ったんじゃないよね?木更津君が言ったんだよね?
私と同じことを木更津君も思っててくれたってこと?
ああ、やっぱり抑えられないみたい。
好き。好き好き好き。


「木更津君が大好き。」
「…しつこいよ。」




庭球純愛様、1000000hitおめでとうございます。企画参加は初めてだったので緊張しながら書きました。私なりの純愛を感じていただけたら幸いです。素敵企画をありがとうございます!


戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -