ふと顔を上げると、目の前に彼の笑顔がドアップで。

「……」
「………」
「…うわぁ、」
「反応遅っ!薄っ!」

なんか怒られた。
そんなこと言われても…

「私が“キャア!”ってキモいやん?」
「…せやな。」

…自分で言ってても、他人に言われると傷付くことってあるよね。

「なんか堪忍…な。」

あ、心読まれた気がする。
まぁいいや。

「で、何の用なん?」

そうそう、これ聞かな。

「手紙、読んだん?」

手紙って昨日、机の中に入ってた“名字”さんへって宛名の書かれた手紙んことか?
あれ白石が書いたんか。

「読まへん方が良かったんか?」

白石が慌てとる…。
というか、

「それ聞くのやったら名前伏せる意味無かったんと違う?」

確か手紙の最後には将来の夢が書いてあった。

「そっ、それは…!気にせんといて!」
「あ、そ。」

なら私は帰るまでや。気にせんでええなら日直日誌も書き終わったことやし、早く帰りたい。

「あ、そういう意味ちゃうねん、ちょ待って!…名無し!」
「…なんやねん。」

いきなり名前呼び捨てにしおるけん、振り向いてもうたやん。

「返事…聞かせてくれへんか?」
「ええに決まっとるやろ。」

アンタも私んこと好きならわかるやろ?
なんでそんな驚いた顔しとんねん。

「あ、けど手紙の内容はもっと捻るべきやで。
“君の明るい笑顔が大好きです”やなんて、軽く鳥肌もんやったし。」



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何年か前の実体験をもとにして書いてみました。自分なりの純愛、感じていただけたでしょうか?


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