「純愛ってなんだろうね…」
あたしが不意にこぼした言葉に赤い髪の幼なじみは大袈裟にむせた
「…どうしたんだよい、いきなり」
「え…いや、別に」
ちらと横目で彼を見て机の上のジュースに手を伸ばす
純愛物語、そんなものを読んで気になったこの疑問
その純愛物語は普通の恋愛物語と何が違うかって聞かれても分からなかったから
「…一身を犠牲にすることをもいとわないひたむきな愛情…まあ要するに相手を一途に想うってことだろい?」
「ブン太が辞書、珍しいこともあるもんだ」
「…お前ちょっと失礼だぜい?」
せっかく調べてやったのに、口を尖らせるブン太にお礼を言ってあのストーリーを思い出す
…一途にって言えば一途だけど、
だいたい恋愛って相手を一途に想ってるから恋なわけで(あれ?)
やっぱり純愛って難しい
「純な愛…」
ブン太までも悩みだしてあたしたちは二人でいるのに沈黙のなか頭をひねる
「…ああ、もうやめた!!」
「へ?あ、うん」
いきなり大声を出されてあたしは目を見開く
「…別にさ、純愛だって恋愛だってなんだって、」
そこで言葉を切ってあたしにずい、と顔を近付けてきた
「…俺は名無しが好き、そんで名無しは俺は好き」
これでいいだろい?
そう言って笑ったブン太を見て気付いた
――純愛、一身を犠牲にすることをもいとわないひたむきな愛情、世馴れしていない男女に使う
あたしたちすでに純愛中だったのかもしれない
、なんてね
(ってかなんであたしがブン太好きって知ってたんだろ…)
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純愛ってなんだろう…と思って出来上がったのがこの話です
テーマが純愛ということでしたが…純愛になっていますでしょうか?
途中のブン太くんのセリフは私なりの結論だったりします!
では庭球純愛さま、1000000hitおめでとうございます!
この度は素敵企画に参加させて頂きありがとうございましたm(__)m
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