中学時代。俺は個人的な趣味の為に情報を手に入れる事を日々の勤めとしていて、その為なら払える代償は払った。

身体はその内の一つで、どうやらそういった趣味の奴に俺の身体は随分と魅力的らしくそれを代価にすれば割合簡単に相応の情報と資金が手に入った。

新羅に言わせれば性モラルの低い行為らしかったが、あの頃の俺はその等価交換に満足していたし後悔する日が来るなんて思ってもみなかった。


あの男に、会うまでは。



高校の入学式で出会った平和島静雄はその素直なようでいて読みきれない性格と怪力でことごとく俺の予想を裏切る男だった。
最初は、単なる興味。面白い人間がいるなっていう観察対象。
会ったその日に殺し合って、その後も毎日のように命懸けで喧嘩して、そんな非日常と日常が混在した日々の中で、どうやら俺は平和島静雄に特別視されたいらしいと気付いたのはつい最近。新羅の冗談めいた言葉だった。

「臨也、いい加減にしないと中学の時のアレばらすからね!」
新羅にすればいつもの軽口。冗談半分で言ったそれは俺を戦慄させた。
新羅は中学時代俺が何をしていたか知っている。俺も隠すつもりがなかったのだから当然だし、新羅は知ったところで興味があるのは首なしの女の事ばかりだから支障はない。

しかし、シズちゃんが知ればどうだろう?
シズちゃんは力故の孤独者で、見る限り性に対しての免疫は殆どない今時珍しいくらいの純情人間だ。

そんな彼が俺の爛れた遍歴を聞けば、どう思うだろうか。


汚らわしいと思う?軽蔑する?それとも変に優しいところのあるシズちゃんのことだ。同情されたりする?

どれだって真っ平御免だ。
特別視ってのはそんな意味じゃない。

俺がこんな風に過去を恥じるような思いをしなきゃいけないのも、隠すような真似をするようになったのも、平和島静雄の存在があったから。


だから、


本当に、嫌いだよ。シズちゃんなんて。










例えば、こんな恋のかたち






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